今日10月31日、市議会・改革ながの市民ネットの団会議を開き、各議員のこれまでの災害対応・被災者支援の経験等を踏まえ、「一日も早い復旧・復興、被災者の生活再建」に向けた課題を整理し、要望書の形でまとめました。
市議会災害対策連絡本部に提出するとともに、明日、副市長に提出要望することにしました。
「2020年度予算編成における要望」を11月5日に市長に提出する予定であることから(災害前に日程が確定)、予算要望に合わせてとも考えましたが、時々刻々、状況と課題が変わることから、緊急に対応することにしたものです。
➡要望事項は次の通り。
台風19号災害の早期復旧・復興、被災者の生活再建に 向けた要望書
改革ながの市民ネット 代表 松 木 茂 盛
甚大な被害をもたらした台風19号災害は、国において「非常災害」及び「激甚災害」に指定され、被災地の早期復旧に向けた支援が始まっている。
既に本市では、県と連携し、10月13日及び20日に国に緊急要請を実施してきている。国への要望事項について、引き続き強力な働きかけをしていくことが求められる。
災害発生以来、市を挙げて不眠不休で人命救助、応急復旧にあたり、今日も被災地の復旧・復興、被災者の生活再建に向け尽力いただいているところであり、言わずもがなの事項も含め、一日も早い市民生活の再建等に向け、被災者に寄り添った災害対応シフトを確立し、最大限の支援を講じることを強く要請する。
1.一日も早い市民生活の再建に向けた支援について
(1)被災者生活再建支援制度について、その適用戸数の緩和や一部損壊家屋等を対象とすることなど、最大限の手厚い支援措置となるよう、国・県に強力に働きかけること。
(2)市営住宅・県営住宅等の提供にあたり、適宜、提供戸数の拡充を図り、被災者のニーズに応える体制を早期に確立すること。
(3)応急仮設住宅(建設型・借上型)の提供にあたり、「罹災程度の区分」による入居対象者の適用範囲について、自らの住居に居住できない被害実態に応じ(特に半壊等の場合)、被災者に寄り添い柔軟に緩和し対応すること。
(4)借上型仮設住宅について、被災者の手間を軽減するため、不動産協会や宅地建物取引業協会と連携し、貸主の同意を得た住宅リストの提供・案内の体制を確立すること。また、自主的な契約により先行して住家を確保した場合において、支援措置を遡及させるなど、柔軟な対応を図ること。
(5)「空き家」を仮設住宅とする手立てを構築し、提供体制を作ること。
(6)公営住宅、仮設住宅等の利用について、使用期限後の生活再建を見通せず、途方に暮れる一人暮らし高齢者、障がい者、要支援者等について、生活困窮者支援の観点から、特段の配慮と支援を講じること。
(7)被災した小・中学校における授業等の早期正常化と心のケアの徹底に尽力すること。
2.避難所の運営支援と在宅避難者に対する支援について
(1)被災者の個々の現状、要望に寄り添うことを基本に、自主避難所の早期解消、指定避難所の集約・統合に向け尽力すること。
(2)すべての被災者に十分な支援を行き渡らせる観点から、親戚や実家に身を寄せる「在宅避難者」(避難所外避難者)について、その実情とニーズなど全容を早期に把握し、情報提供・課題解決に万全の体制を構築すること。
(3)避難所は、「在宅避難者」(避難所外避難)をしている市民に対しても、等しく物資の供給、情報の共有等を行い、生活再建の拠点として開かれた場所となるよう運営すること。
(4)被災者の今後の生活再建に伴うストレスや悩みに対応するため、精神科医等の専門家によるワンストップの相談体制を早期に確立すること。
(5)避難所における感染症の発生・まん延防止に万全の体制で臨むこと。
(6)被災児童生徒の心のケア等に対応するため、避難所におけるケアにとどまらず、スクールカウンセラーを拡充し被災児童が在籍する小中学校において心のケアの万全の体制を確立すること。
3.被災地域の復旧、災害ごみの処理等について
(1)住家の片付け、災害ごみの処理において、被災者の負担を軽減するため、災害ボランティアの継続的支援を要請し確立すること。
(2)被災地の実情を的確に把握し、必要な地域に必要なボランティアが派遣されるようコーディネート体制をしっかり確立すること。
(3)災害ごみの処理の県内の受け入れ態勢の拡充及び県外自治体を含めた処理体制を早期に確立すること。
(4)災害ごみ仮置き場(受け入れ中止場所を含む)における環境衛生上の管理を徹底するとともに、早期解消に力を尽くすこと。
(4)建物解体等に伴うアスベスト対策に万全を期すこと。アスベスト除去が必要な住家に対する助成と災害ボランティアへのアスベスト用防塵マスクの提供体制を確立すること。
4.河川等の災害復旧について
(1)災害復旧事業に早期に着手できるよう、道路・河川・砂防等の公共土木施設や農地・農林業用施設・上下水道施設等の災害査定にあたり、採択基準の緩和、迅速かつ柔軟な対応ができるよう、国に強く働きかけ、十分な予算を確保すること。
(2)河川等をはじめとする復旧において、原形復旧ではなく、再度災害が起こらないような抜本的な改良復旧を図ること。
(3)千曲川決壊地点の堤防の本格再建を国に強力に働きかけること。併せて信濃川水系河川整備計画(千曲川・犀川)の検証と抜本対策の早期実現を図ること。
(4)特に、千曲川の立ヶ花狭窄部の早期拡幅と堤防の安全性の検証と対策、越水地区等の堤防のかさ上げ、支流・支線における水害対策を早期に実現すること。
(5)国・県と連携し、無堤地域の早期解消を図ること。
5.ボランティアセンターの機能強化、地域防災力の強化等について
(1)被災地の個別具体的なニーズを的確に把握し、必要な地域・世帯に必要なボランティアが継続的に派遣されるよう、コーディネート機能を強化・拡充すること。
(2)ボランティアコーディネーターの重要性に鑑み、NPO等ボランティア団体の知見を活用、連携して一体的な運営を図ること。
(3)組織的に災害ボランティアコーディネーターの養成を図ること。
(4)自主防災会等による防災訓練に避難所運営支援プログラムを積極的に導入し、地域を挙げた避難所運営を図ること。
(5)防災備蓄品の点検・拡充と被災後3日間=72時間を目安に、被災状況に応じた段階的・計画的な必要支援物資の提供体制の確立に万全を期すこと。
(6)消防署に水陸両用車両の導入を図ること。
(7)消防団員の安全を確保し、消防団の機動力の強化を図るため、消防車両をはじめとする装備品の充実を図ること。
6.商工業、農業等の再建に向けた支援について
(1)甚大な被害が生じている中小企業等事業者に対し、被災した事業用建物や設備等の復旧を支援する補助制度を確立すること。
(2)中小零細事業者の倒産及び連鎖倒産を未然に防ぐため、緊急の助成措置等を講じること。
(3)リンゴ農家をはじめとする農業被害(農産物・農業機械・農地等)を早期に全容把握し、農業経営の早期再開に向け必要な支援を早期に確立すること。
(4)風評被害等による観光への影響を払しょくするため、正確な情報を発信し、風評被害の未然防止を図ること。
以 上