自主避難所となっている「豊野北公民館」が抱える課題解決について、20日付のブログで報告しました。
「自主避難所」とされてきている経過から、「指定避難所」との運営格差は解消されつつあります。今の段階で「自主」であることのデメリットを強調するつもりはありませんが、一時避難所が長期にわたり継続される場合の十分な支援体制の確立という点で、教訓化すべき課題であると考えています。
ピンポイントで豊野北公民館に支援
20日から22日まで、8世帯16人が避難されている「豊野北公民館」の避難所運営の後方支援に入りました。できる限りですが…。
後方支援といっても、現地で災害ごみ処理や避難所運営などに関する区長さんからの相談に応えるとともに、支援物資の整理や衛生管理の手伝いといった内容です。
昨日は、千曲川の水位が上がったため浅川から千曲川への水門が閉められ浅川の内水氾濫の恐れがあることから、午後3時半にサイレンが鳴り響き「直ちに避難」の指示が改めて発令されました。緊張の一時となりましたが、避難所の皆さん全員が早期に避難所に戻られ、また、千曲川の水位が下がり水門を開くことができ、安堵でした。
今日は、伊勢宮区の敬老会や会派の団会議(2020年度予算編成にあたっての要望まとめ)があり、出向くことができませんでしたが、24日・25日は再度出向く予定です。
21日からNPO法人レスキューストックヤード(名古屋市)のボランティア入る
市教育委員会は21日から市職員を配置するとしていましたが、結局かなわず、その代わりに?NPO法人レスキューストックヤードの専門職ボランティアさんが1名派遣され、避難所運営にあたってもらっています。
専門職の支援は大助かりです。担当は看護師の加藤さんで、避難住民の健康管理や避難所の保健衛生管理など専門的な立場からの支援で、しかもとても明るく気さくな方で、避難所の空気が変わりました。
➡NPOレスキューストックヤードの「今を伝える」サイトより
NPOの専門ボランティアと地元自治会・区役員が連携した自主的な避難所運営という点で、効果的な取り組みになってきていると感じます。ここに市の全体的な取り組みを掌握しフォローできる市職員が配置されればよりベターなのですが、市との情報共有という点からカバーせざるを得ないとも思いますが…。
21日21時から奈良市の職員3人が配置
中核市の災害相互支援協定により、全国の中核市から99名の職員派遣が行われることになり、豊野北公民館には3人の職員が24時間体制で配置されました。
地元の自治会・区の役員の皆さんは災害発生から9日ぶりに初めて自宅に帰り眠ることができたとのこと。
しかし、3泊5日体制で、今のところ28日までの支援です。3クール体制です。避難所の管理、豊野西小学校に出向き弁当などの必要な支援物資の調達など、これまで区の役員が実施していた業務が分担され、軽減されています。ありがたい支援です。引継ぎが的確に行われることを願いばかりです。
昨日22日は午後の時間帯で、市保健所から保健師の皆さんの健康管理、環境部から環境衛生監視員の皆さんに環境点検が入りました。ストーブが不完全燃焼状態であることが判明し、取り換えました。
市営住宅への入居募集始まる
22日夕刻から罹災証明や災害救助法に基づく住宅の応急修理、公営住宅への入居の案内が、それぞれ担当課から説明。
市では、60歳以上の高齢者、妊産婦(満1歳まで)、避難行動要支援者を対象とした第1次分として、栗田従前居住者用住宅(15戸)・七瀬従前居住者用住宅(20戸)・市営住宅返目団地(2戸)、計37戸分を確保。今日23日から29日までの間で受付が始まります。その後、市営住宅を修繕するなどして50戸程度を用意し、対象世帯を広げて第2弾を募集するとしています。
報道によれば、県が県営住宅、職員宿舎、教職員宿舎など長野市内で123戸提供するとされています。
市と県が一体となって、市営住宅と県営住宅の入居を同時一括説明し、募集を始めるような取り組みが求められます。
指定避難所・長野運動公園体育館への移動の考え方の説明も
避難所を訪れた教育次長は「避難所生活が長期に渡らざるを得ないことから、健康維持管理・感染症などの衛生管理の観点から、指定避難所である長野運動公園体育館への移動を検討いただきたいこと」「指定避難所である豊野西小学校に避難する住民の皆さんにも同様のお話をしており、一緒に移動できるようにしたいこと」を避難住民の皆さんに提起しました。
豊野北公民館に避難している皆さんは豊野区の「本町」「南町」の皆さんがほとんどで地域コミュニティのつながりの中で支えあいができていることから、即座に移動を決断するには困難が伴うものと思われますが、先々のことを考えると避難所の移動・集約を進めざるを得ないと考えています。理解が得られるような懇切丁寧な説明・対応が求められます。
それにしても、豊野西小学校の過密状態の解消(学校の再開という観点からも)を図り、避難所の移動・集約を図るためにも、公営住宅や民間アパートへの提供の全容、仮設住宅の見通しなど中長期的な生活再建の見通しを明示できることが必要だと感じます。
必ずや生活再建はできる!今の課題
避難所運営のノウハウがあるわけではありませんが、思いつくまま列記し、対応方を市やNPOの皆さんと相談している課題です。様々なNPOのボランティア支援等とのマッチングができればと思います。
➀疲れ切っている避難住民の皆さんの健康管理・栄養管理、片付けから帰ってきてからの時間帯での医師・看護師・保健師による定期巡回
➁トイレの衛生管理(水を流せる排水溝がない、雑巾での消毒のみ)
➂炊き出しの実施(調理できる台所があるため)
➃心のケア
➃お風呂の提供
➄一人暮らし高齢者への継続的支援
➅7世帯が居住する大広間へのテレビの設置
➆公営住宅への入居、住宅の応急処理など生活再建にかかる継続的な情報提供と対応
今日は、豊野区に土嚢に詰めた土砂を運ぶ軽トラが30台、ボランティアで入ることになっています。
また、レスキューストックヤードと連携して富山県高岡市からのボランティア(ヤマヤ物産有限会社)による「炊き出し」(昨日夜の話では焼きそばと唐揚げの提供でした)が、豊野区の浸水地区内で行われている予定です(実施状況は未確認)。
順調に活動が展開されていることを願います。
途方に暮れる避難住民の皆さんに、「必ずや生活再建はできる」との希望の道筋を早期に示したいものです。