「資源再生センター火災の教訓と再発防止策を質す【6月議会の質問より➊】」の続報です。(アイコンの写真は自動火災報知システムではありません)
資源再生センターの火災では、自動火災報知設備と火災通報装置が連動していないことが大規模化・長期化の要因の一つではないかとされています。
法令上の義務違反となる事象ではありませんが、市の財産であり市民の財産である公共施設の安全を担保するために、市の公共施設においても自動的に119番通報となる仕組みを導入拡大することを検討してはどうか、提案しました。
消防法令上、119番通報の連動を義務付けている対象は51施設
現状を消防局に照会したところ、消防法令上、自動火災報知設備と火災通報装置の連動義務防火対象物は、病院や10床以上の診療所16施設、内市管理施設は市民病院1施設、特別養護老人ホームなど142施設、民間の複合施設等で51施設とのことでした。
意外に少ないのです。
なお、市が管理する施設は義務対象となっていません。
実際の質問では、時間を短縮するため、現状について質問の形をとっています。
答弁では、「誤発報の場合の対策や、短時間で職員が現場に駆け付けることができる体制を講じているなど、一定の条件を満たしている場合は、現場確認をすることなく消防局への通報を認めている」ともしました。
小中学校等109の公共施設は消防長の承認により任意で連動
小中学校や公立保育所、認定こども園など109施設は、一定の基準を満たすことを条件に消防長の承認により任意で連動させています。
すなわち、上記以外の支所や公民館、児童センターにおける夜間の火災では、近所の住民の119通報により消防局が火災を覚知することになります。どうしても通報ロスが生じてしまうのではないでしょうか。
通報ロスで公共財産を損失させないための手立てが必要では?
消防法令上は問題がないということになりますが、市民の生命・財産を守るため、消防の消火活動における「時間的ロス」つまり「通報ロス」を最小限にするための手立て、隙間をしっかりと埋める手立てを考えるべきと提案し、見解を求めました。
要するに、自動火災報知システムを拡大することを検討してもらいたいとの提案です。
誤作動の影響が懸念、自主管理が原則、指導・助言強める
消防局長は、「自動火災報知設備と火災通報装置の連動義務がない施設では、人面危険度の観点から自主管理が原則」、「現状としては、誤発報(火災報知機の誤作動)が多発することにより、実際の火災に影響してしまうことがないよう、いち早く人的確認をしてもらうことが大変重要」との認識を示したうえで、「休日・夜間の通報体制について、必要に応じ防火管理の一部委託など、消防計画の見直しを施設管理者に指導、助言し、防火管理の徹底を図るとともに、警備会社等へも迅速な通報体制の構築を図るよう指導し、時間ロスを最小限にしていく」と答弁するにとどまりました。
確かに、火災報知設備の誤作動により、消防車が出動するケースは結構あります。「自主管理が原則」と言われれば、それまでの話なのですが、引き続き、法改正も視野に入れつつ、検討を求めていきたいと考えます。