2月11日午前中、夏の参院選に向け、信州市民アクションの主催で「市民と野党との共同のテーブル」が催され、野党4党の県代表の出席のもと、参院選に臨む基本政策に合意するとともに、市民と野党の統一候補を3月中に決定する方向性を確認し合いました。
信州市民アクションは、2017年10月に実施された総選挙の直前に県内の市民団体のネットワーク組織として結成し、安倍改憲や沖縄辺野古基地建設に反対する活動などを進めてきている市民グループの協議体です。
「共同のテーブル」には、立憲民主党からは杉尾秀哉さん(県連代表・参議院議員)、国民民主党は羽田雄一郎さん(県連代表・参議院議員)、共産党は鮎沢聡さん(県委員会委員長)、社民党からは竹内久幸さん(県連代表・県議会議員)が出席しました。
信州市民アクションでは、1月末の段階で、野党県内組織と中央本部に対し、1人区である長野県選挙区は市民と野党の統一候補の擁立が不可欠とし、信州市民アクションがまとめた基本政策の尊重と統一候補擁立に向けた野党間協議を加速させることを要請してきました。
県・中央を問わず、前向きな回答が寄せられたことを踏まえつつ、県内野党4党との共同のテーブル開催となったものです。
参院選県選挙区を巡っては、自民党は小松裕・元衆議院議員の擁立を決定し、野党側は、国民民主党・現職の羽田さんと共産党新人・長瀬さんの擁立を決めています。
しかしながら、9条改憲を許さない議席を長野県で打ち立てるためには、候補者の一本化が必要不可欠です。
2016年の参院選で、当時、民進党公認の杉尾さんを市民と野党の統一候補として決定し、勝ち抜いた経験を活かした取り組みを継続させるべき、そして勝てる候補で一本化すべきとのスタンスに立っています。
公党間の協議・合意が不可欠とはいえ、市民との開かれた意見交換を通じ、市民の代表足りえる候補者の擁立を図るプロセスを重視した取り組みです。
信州市民アクションがまとめた「参院選に臨む基本政策」では、野党4党の代表が賛同する姿勢を明確にし、さらに参院選の争点の一つとなる消費税増税について、反対し中止を求める趣旨を追加することにも合意しました。書き込み方は共同代表・事務局会議に委ねられました。
【信州市民アクション 参院選に向けた基本政策】
1.安倍政権の下での改憲、すなわち9条への自衛隊明記、緊急事態条項の創設などの自民党改憲案に反対し、立憲主義の回復をめざす。
2.新安保関連法、特定秘密保護法、共謀罪法の廃止を求める。
3.沖縄の米軍辺野古基地建設に反対し、日米地位協定の見直しを求める。
4.原発の再稼働に反対、原発ゼロ社会をめざし、再生可能エネルギーを促進する。
5.格差と貧困を拡大するアベノミクスをやめさせ、所得再分配を重視する政策へ転換する。
6.ジェンダー(社会的性別)平等を推進し、LGBT、障がい者、在日外国人などマイノリティーの権利を保障する多様な社会をめざす。
意見交換で冒頭、国民民主党現職の羽田雄一郎氏が、2017年の総選挙で旧民進党と希望の党との合流問題から野党共闘が実現しなかったことに関し、「市民の皆さんとの意思疎通が図れず、政治路線の選択等で大きな不信感を招き、自公勢力との戦いに十分に踏み込めなかったことを深く反省し、申し訳なく思う」と謝罪したことがポイントでしょう。
総選挙で野党共闘を壊したことに対する責任・ケジメを求める意見が相次いできていることに対応した発言です。
共同のテーブルでは、基本政策を野党4党で合意したうえで、遅くとも来月3月中には候補者を一本化する方針を確認しました。
予定候補者でもある羽田氏は、参加者の質問に答える形で、国会議員でつくる「みんなで靖国神社を参拝する国会議員の会」の副会長を辞し脱会する考えを示すとともに、「安倍政権に対峙できる一本化を進めていただいてしっかりと県民目線、国民目線の政治を取り戻さなければならない」と訴えました。
一方、共産党県委員会の鮎沢委員長は「重要なのは共闘の基本政策、共通の政策をどう魅力あるものにして、どれだけ幅広い有権者の心に響く内容に練り上げるかにかかっている」との考えを示しました。
いずれにしても、県内野党4党において、中央段階を含め、公党間協議を加速させ、候補者の一本化を進める責任を果たすことが問われます。
気がかりなことは、安倍政権が、参院選の結果次第では、政権維持のために国民民主党や維新を取り込む動きも見せていると報じられていることです。
いかなる政局展開になろうとも、安倍退陣・改憲阻止でブレることの無い統一候補を作り出すことが私たちの責任であると考えます。