油圧機器メーカーKYB(本社・東京都)が16日、地震の揺れを抑える免震用と制振用の装置=オイルダンパーの性能検査データを改ざんし、納品していたと発表しました。
偽装された不正な装置が設置された建物は、全国のマンションや病院、学校、庁舎など986件(免震用が903件、制振用が83件)にも及びます。
長野市の新第一庁舎・芸術館にも免震偽装品が設置されています。
東洋ゴム(㈱)の免震ゴム偽装が発覚し、ブリヂストン製の製品に交換工事が行われたのはつい3年前。
免震ゴムの交換工事と相まって発生した庁舎壁面のひび割れも問題となりました。第三者委員会の調査では、交換工事が原因ではなくコンクリートの乾燥収縮によるものとの結論は出されています。
➡広がる東洋ゴム免震偽装、そして市庁舎・芸術館への対応の「今」
「またか!」…怒り心頭です。
ものづくりにおけるメード・イン・ジャパンの信頼が根底から揺らいでいます。相次ぐものづくり産業における検査データ改ざんは、病巣の根深さを物語っています。
納期やコスト削減を優先する中で企業の規範意識が壊れてきているということでしょう。
第一庁舎・芸術館の基礎部分には90基の免震装置が設置されていますが、免震オイルダンパーの設置は28基です。
国土交通省の発表によれば、KYB側の責任ですべての部品交換を行うとされています。当然でしょう。
一番心配な建物の構造上の安全性について、国土交通省は「震度7程度の地震で倒壊する恐れはない」としているのですが、設計者・施工者による十分な検証結果を示されない限り、納得できるものではありません。
➡国土交通省の10月16日付プレス発表
http://www.mlit.go.jp/common/001257497.pdf
交換工事について、庶務課に問い合わせたところ、「建物のジャッキアップなしで交換できると聞いている。ただし交換部品の地下への搬入方法など検討すべき課題は残っている。詳細はこれから」としています。
今後、設計者、施工者との協議によるものと思われます。今後の成り行きに注目です。
16日午後7時過ぎに総務部庶務課から議員あてに国交省のブレスリリース資料がFAX送信されました。
庶務課では旧建設事務局担当者らと連携して対応しているとのこと、免震ゴム偽装、庁舎ひび割れ、芸術館の見切れ席、そして免震オイルダンパーの偽装と「不運続きの庁舎・芸術館」ですが、市民の安全確保に向けしっかりとした対応を求めたいと思います。