市立公民館のコミセン化…「交流センター」の利用制限緩和を質す【9月議会の質問より➊】の続編です。
市立公民館の交流センターへの見直し移行にあたっての二つの目の問題点は、市立公民館で実施されている「成人学校」についてです。
交流センターでは「成人学校」が「教養講座」に
交流センターの設置条例案では、第13条で公民館の「成人学校」を「教養講座」として異なる名称を規定しています。
「教養講座」は「成人学校」と全く同一のものであり、交流センター化に伴い、異なる名称は、市民、受講者の間に混乱を引き起こす何物でもありません。
受講者ファースト、市民ファーストでない
成人学校は改めて言うまでもなく、市民の生涯にわたる学習意欲の受け皿として、日々の暮らしに活力と潤いを保持する「大人のための学習講座」で、歴史と伝統を持っているものです。単なる名称、呼称で片づける性格の問題ではないと考えます。
法令規上の整合性にとらわれ、同一の事業を使い分けることは、行政側の判断、都合でしかなく、受講者ファースト、市民ファーストではないと指摘し、同一名称として条例上位置づけることを強く求めました。
わかりやすく、より参加してもらえるよう「教養講座」に
「長い歴史のある成人学校は、市民に愛着を持ってもらっているが、受講者が固定化している傾向にもあり、交流センターの設置に合わせ、若い年齢層や初めて施設を利用する人にもわかりやすく、より参加していただきたいとの願いも込めて、この機会に『教養講座』としたもの」と答弁。
そのうえで、「モデルの試行にあたっては、市民・受講者が戸惑うことのないよう、募集チラシなど、運用面で従来の『成人学校』であることを併記するなど十分配慮する」と弁明しました。
施行規則で同一名称とすることをさらに提案
答弁が、既に混乱が起きることを想定していることから、施行規則において「教養講座」を「成人学校」と読み替え同一名称で対応することが可能となるよう再質問しました。
しかし、答弁は変わらず、「理解をお願いしたい」と繰り返すにとどまりました。
多分、公民館では引き続き「成人学校」の名称で募集し、交流センターでは「教養講座(従来の市立公民館での成人学校)」と表記し募集案内することになりそうです。
同一の事業の名称が異なるということ自体、「わかりやすい行政」からかけ離れてしまっているのではないでしょうか。
県内的にも全国的にも「成人学校」という呼称が極めて少なくなっている傾向はあるようです。
であれば、主力である公民館事業である「成人学校」の在り方、名称の見直しについて、受講生の意見等を聴きながら対応することが先なのではないでしょうか。
行政のご都合主義的な対応が垣間見える問題でしょう。
交流センターの民間事業者の利用制限の問題と合わせ、経済文教委員会での審議に委ねたいと考えます。