昨日8日、翁長雄志・沖縄県知事の急逝のニュース速報に衝撃が走りました。
市内で催していた社民党の自治体議員団研修会の最中に、「翁長知事、副知事を職務代行者に」との速報に触れ、私から参加者に報告、一日も早い回復と公務復帰をともに願おうと呼びかけていたのですが、わずか3時間後に「急逝」の知らせが届くこととなってしまいました。
辺野古新基地建設反対運動の象徴であった翁長県知事の存在はかけがえのない希望の星でした。心から深く哀痛の意を表するものです。
「米軍基地は経済発展の阻害要因、辺野古に新基地を造らせない、普天間基地の閉鎖・撤去、21世紀ビジョン真の理念の実行」を必死に訴え、沖縄県民の民意を体して辺野古新基地建設に反対してきた故人の遺志を私たち本土の人間も引き継ぎたいと思います。
6月23日、沖縄慰霊の日の式典での翁長知事の病を押しての姿と訴えが鮮明に思い起こされます。
沖縄県民とともに、悲しみを乗り越え、9月にも前倒しされるであろう県知事選挙に勝利することを誓いあい、辺野古新基地建設を阻止するために本土からも力を尽くしたいと思います。
今日付の沖縄タイムスに、『「沖縄の人をなめてはいけない」…翁長知事が問い続けた不条理、語録で振り返る』との記事がありました。
紹介します。
イデオロギーよりアイデンティティー
「ハイサイ、グスーヨー」。しまくとぅばを使い沖縄県民に呼び掛けた翁長雄志知事。基地負担に悩む県民に優しく語り掛ける一方、相次ぐ米軍関係の事件事故や基地問題の根本的な解決に後ろ向きな政府の姿勢には容赦なく怒りをぶつけた。自身の政治指針を示す「イデオロギーよりアイデンティティー」の言葉は、保守政治家であり、同時に県民代表であろうとする翁長知事の姿勢を表現している。「私は保守の人間だが、沖縄に在日米軍専用施設面積の74%が集中するのは大変理不尽で、許されるものではないと考える。基地問題を解決しなければ21世紀に羽ばたくことはできない」(2014年12月10日、就任直後のあいさつで)
上から目線
「辺野古の新基地は絶対に建設できない。移設を粛々と進めるという発言は問答無用という姿勢が感じられ、上から目線の言葉を使えば使うほど県民の心は離れ、怒りは増幅する。官房長官の言葉は、キャラウェー高等弁務官の姿を思い出させる」(15年4月5日、菅義偉官房長官との初会談で)「今本土で飛んでいるオスプレイは一定程度が過ぎたら、みんな沖縄に戻ってくるんです。これを日本の政治の堕落ということを申し上げているんです。どうか日本の国が独立は神話だと言われないように、安倍首相、頑張ってください。ウチナーンチュ、ウシェーティナイビランドー(沖縄の人をなめてはいけない)」(同5月17日、辺野古新基地建設に反対する県民大会で)
安保体制は正常か
「政府は民意にかかわらず、強行している。米施政権下と何ら変わりない。日本に地方自治や民主主義はあるのか。沖縄にのみ負担を強いる安保体制は正常か。国民に問いたい」(同12月2日、代執行訴訟第1回口頭弁論の意見陳述で)「グスーヨー、負ケテーナイビランドー。ワッターウチナーンチュヌ、クワンウマガ、マムティイチャビラ、チバラナヤーサイ(皆さん負けてはいけません。私たち沖縄人の子や孫を守るため頑張りましょう)」(16年6月19日、元米兵の女性暴行事件に抗議する県民大会で)
法治国家とはいえない
「怒りを禁じ得ず、強い憤りを感じる。県民に十分な理解がない形で、安易に米軍側の発表を追認している。県民不在の中、米軍が発表する形で物事が進められており大変残念だ。日米地位協定の下では法治国家とはいえない」(17年1月5日、MV22オスプレイの空中給油訓練再開を受け)「一番守ってあげなければならないのは子どもたちだ。運動場のど真ん中に落ちたのは許されない」(同12月13日、米軍CH53大型輸送ヘリの窓落下で現場を視察)
米軍全体がクレージーだ
「(米軍機の相次ぐ不時着に)まさしく、米軍全体がクレージーだ」(18年1月24日、首相官邸で記者団に)「(米軍機不時着を巡る不適切発言で辞任した松本文明内閣府副大臣に対して)本土の政治家の無理解は背筋が凍るような思いだ」(同29日、県庁で記者団に)
「公務をしっかりこなす中で、私への負託に応えていきたい」(同5月15日、膵(すい)臓がんの公表会見で)
「朝鮮半島の非核化と緊張緩和への努力が続けられている。(日本政府は)平和を求める大きな流れから取り残されているのではないか」(同7月27日、辺野古沖埋め立て承認撤回方針の表明会見で)