阪神大震災から17年。震度7の大地震で6,400人を超える尊い命が奪われました。そして、昨年の東日本大震災。復興はまだ緒についたばかりです。阪神大震災の経験を教訓に東日本の復興に臨むことが求められています。
2月9日にはまちづくり・公共交通対策特別委員会で神戸市長田区の商店街の復興を視察します。ゼロからの復興に不可欠なまちづくりの視点・発想を勉強したいと思っています。
今日は長野県議会の主催による第7回地方自治政策課題研修会に参加してきました。防災・減災をテーマに、栄村の島田茂樹村長が「栄村における震災対応について」、新潟大学災害復興科学研究所の卜部厚志准教授が「被害記録を教訓とした災害対策について」、それぞれ講演が行われました。タイムリーな企画で、県庁講堂は600人を超える参加者で一杯でした。
長野県北部地震による栄村の被害総額は約53億円に上るそうです。人的被害では災害関連死で3人の方が亡くなりましたが、直接的な人的被害が少なかったことは不幸中の幸いです。火災が発生しなかったこと、停電にならなかったことが幸いしたといえます。
未だに54世帯66人が仮設住宅生活を余儀なくされています。現在、H28年度までの5年間の復興計画を策定中だそうです。事業費は約48億円とされます。
村長は、31を数える集落でそれぞれ共同体意識が強い絆が形成されてきていることが、防災・減災に有効に作用したことを強調していました。大事なことです。
新潟大学の卜部准教授の講演は、市議会で長野市財政の勉強会を入れていたため、聴くことができませんでした。レジュメから、「地盤・地質構造に起因した地震被害は繰り返される⇒被害記録から地震時の災害の要点を考える⇒優先度を付けた対策や発災時の対応につなげる」ことがポイントのようです。
午後3時半から、議会の委員会室で「長野市行財政の現状と課題」について財政部長・財政課長等から説明を受ける形で勉強会。改革ながのの呼びかけで開かれたもので市民ネットも合流しました。
向こう10年間で大規模プロジェクトに950億円の財政投入が必要とされる中、H24年からH27年の間は新規借入額(借金)が元金償還額を上回るため、市債残高は1607億円(H22年で1382億円)に増加するものの、以降は減少できる見込みであること、またH27年までは歳出が歳入を上回り、基金(貯金)を取り崩して運営せざるを得ないものの、H32年には歳入・歳出同額で危機を135億円までに積み立てる見込みであること、総じて、大規模事業があるものの健全財政は維持できる見通しとするものです。
これには、南長野運動公園のサッカースタジアム整備や茶臼山動植物園の整備、さらにはLRTの導入など、急浮上しつつある大規模事業は、カウントされていません。いざ事業化となれば、大幅な見直しが必要になります。
市債残高は、普通会計分の借金であり、病院会計や上下水道会計など公営企業会計分の借金は別建てとなっています。独立採算が原則の企業会計といえども、一般会計から毎年40億円以上繰り出し、なおかつ借金残高は普通会計とほぼ同額を抱えているのです。上下水道事業は、これから施設の維持・修繕費に多額の費用がかかる一方、それを使用料に転嫁するにも限界がある事を考えると、これから10年先、長野市財政が健全に運営されるか、極めて厳しい将来が待ち受けていると考えざるを得ません。
長野市民の将来負担を見極め、大規模事業を見直し縮減し、その分を福祉や教育で国基準を超えるサービスを実施した方が、少子高齢社会を生きる市民の幸せに直結すると思うのですが…。