介護保険料の引き上げに反対

介護保険料の引き上げに反対しました。以下、反対討論の内容です。

議案審査が付託された福祉環境委員会では、議案の再審査を行いました。異例なことです。

保険料の引き上げそのものに反対するとともに、議会軽視ともなる理事者側の姿勢を批判しました。

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32番、改革ながの市民ネットの布目裕喜雄です。

議案第7号、H30年度長野市介護保険特別会計予算に反対の立場で討論します。

付託審査された福祉環境委員会では、介護保険特別会計予算について一旦議決したものの再審査を行うことになりました。私から提案した再審査の動議が全員一致で可決されたことによるものです。

何故、再審査という極めて異例な事態を生んだのか

H30年度介護保険特別会計予算は、本来、条例に定める保険料率で収入を見込むことになりますが、提案された当初予算が議決を経ていない引き上げ保険料で歳入を見込んでいることが発覚したからです。

後送議案(議会の初日提案ではなく、議会の途中で後から提案される議案)として提出された保険料を引き上げる条例案の、審査も議決もないまま、引き上げ保険料で歳入を見込むことは、基本的に重大な齟齬、誤りがあり看過できるものではありません。

しかも、保険料率引き上げの条例改定案は後送議案として提案されたものです。議会初日、当初予算として提案された内容が条例に基づかない予算編成となっている点は、手続きの問題のみならず、議会軽視の姿勢を露呈させたものと言わなければなりません。

まずは形式の問題として、行政側に猛省を促したいと思います。

次に内容の問題です

議案第60号長野市介護保険条例の一部を改正する条例案は、第7期介護保険事業計画における第7期介護保険料・基準額を定めるものですが、12億円の基金のうち6億円を取り崩し、介護保険料を第5段階・基準額において180円、3.3%引き上げるものです。

国の制度設計が目まぐるしく変わる中、また、国費投入の抑制が図られる中、給付の増加に伴う介護保険事業会計の厳しさは理解しますが、介護保険料の引き上げは、やはり、介護難民、医療難民を増大させることにつながることから、基金を活用しより抑制的な引き上げにとどめること、できれば据え置きとし、3年サイクルでの基金積立とのバランスを図ることが求められていると考えます。

介護の社会化をめざしスタートした介護保険制度は、17年たつ中で、保険料が倍増する一方、自己負担の増加は本人や家族にとっては切実な問題となり、必要なサービスをいつでもどこでも受けられる本来の制度目的から大きく逸脱し、自己責任論に大きく傾いてきています。

制度設計の抜本的な見直しを図り、初期の介護の社会化を実現する仕組みに改められることが必要です。

以上、形式・手続きと内容の両面から、議案第60号・長野市介護保険条例の一部改正案と合わせ、議案第7号・H30年度長野市介護保険特別会計予算の反対討論とします。

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