3月市議会定例会は20日、総額1499億5千万円のH30年度長野市一般会計当初予算案をはじめ、最終日に提案された人事案を含め市提出の68件の議案すべてを原案通り可決し閉会しました。
H30年度長野市一般会計当初予算案に賛成討論
3月議会の最大の課題は新年度予算案をしっかり吟味の上、議決することです。
当初予算案に賛成する討論を行いました。
討論に立った目的は、放課後子ども総合プランの有料化がスタートするにあたっての課題等を厳しく理事者側に訴えたかったからです。
賛成討論という立場の打ち出しは、私自身としては、なかなか悩ましい決断でした。
なお、共産党市議団から提出された予算原案に対する修正案には賛成しませんでした。
改革ネット独自の予算修正案は見送りに
今議会の大きな論点の一つが、放課後子ども総合プランの有料化問題です。
新年度から導入される放課後子ども総合プランの有料化について、昨年3月議会に提案された条例案に反対してきました。
かかる態度に基づき、1億7千万円のプラン利用料金収入をゼロにし不足分を繰越金で充当させる予算修正案の提出について会派内で検討し、一旦は修正案の提出でまとめたものの、有料化を定めた条例に基づく予算案であることから、市長の予算提出権を侵害する恐れがあること、そもそもは有料化を決めた条例の修正案の提出が優先されるべきことから、修正案の提出は見送ることにしました。
当初予算案に対する態度に関し、私としては、プランの有料化への反対一点を強調し、予算案全体に反対せざるを得ないという姿勢で会派内協議に臨んだところですが、なかなか全体の共通認識とならず、やむを得ず「賛成討論」の上で、放課後子ども総合プランの有料化スタートにあたっての課題を厳しく指摘するという姿勢で臨むこととなりました。
「それでは反対討論だ」とする小さなヤジはありましたが、批判は甘んじて受けましょう。総論として予算案賛成は賛成なのですから…。
討論内容は下記をご覧ください。
介護保険料の引き上げに反対
また、保険料引き上げを盛り込んだ介護保険条例の一部改正案と介護保険特別会計予算案には反対し、討論を行いました。
討論内容は下記をご覧ください。
近藤教育長の再任等に賛成
人事案件では、任期満了となった教育長に近藤守・現教育長を再度任命する案に同意するとともに、固定資産評価審査委員や人権擁護委員の選任に同意しました。
特に教育長人事については、少子化に対応する活力ある学校づくりの検討が大きな山場を迎えることから、現教育長の続投を支持したものです。
種子法廃止に伴う万全の対策を求める意見書などを可決
この議会では、請願に基づいた「種子法廃止に伴う万全の対策を求める意見書」(県知事宛)、委員会発議となった「「長野県福祉医療費給付事業補助金の補助対象範囲の拡大を求める意見書」(県知事宛)、「教職員定数の改善を求める意見書」(国宛)、3つの意見書を全会一致で可決しました。
生活保護基準の引き下げ中止を求める請願は否決
共産党系の「生活と健康を守る会」から提出された「生活保護基準の引き下げの中止を国にも求める請願」は福祉環境委員会に付託され、私は賛成の立場で議論しましたが、賛成少数で「不採択すべきもの」となり、本会議でも否決されました。
国が今通常国会に提出している生活保護法の見直しでは、生活扶助基準額がH30年10月分から段階的に削減され、最大で5%の減額となり、67%の生活保護世帯の受給額が減少することになります。また、母子加算についても、平均2割削減されることになります。
生活保護基準は、最低賃金や地方税の非課税基準、各種社会保険制度の保険料や一部負担金の減免基準、就学援助などの諸制度と連動しており、低所得者層を中心に生活保護を利用していない市民生活全般にも多大な影響を及ぼすことが懸念されます。
今回の見直しは、低所得者の中でも最下位の所得階層と生活保護世帯の消費実態を比較し、生活保護基準を第1・十分位層(所得階層を10に分けた下位10%の階層)の消費水準に合わせるという方法で行われました。しかし、生活保護を利用する資格のある人のうち実際に利用している人が占める割合(補足率)が2割以下といわれている状況において、第1・十分位層の中には、生活保護基準以下の生活をしている人たちが極めて多数含まれています。この層を比較対象とすれば、際限なく基準を引き下げ続けることになり、「健康で文化的な最低限度の生活」の水準自体を引き下げ、貧困のスパイラルを深めることになりかねません。
こうしたことから、生活保護基準の引き下げ撤回が必要であるとの論点で、請願に賛成しました。
否決は極めて残念な結果です。
労働者の声を踏まえた真の「働き方改革」の実現を求める請願は継続審査に
長野地区労組会議から提出された、『労働者の声を踏まえた真の「働き方改革」の実現を求める請願』は、国において裁量労働制が撤回されたものの、高度プロフェッショナル制度を残している「働き方改革」法案が長時間労働を解消し過労死を根絶するものとはならないとの観点から、高度プロフェッショナル制度の導入に反対する内容です。
紹介議員になりました。
付託された経済文教委員会では、「国の状況がはっきりしていなから判断することが難しい」とか「国会の審議をしっかり見定めたうえで判断したい」との理由から「継続審査」となりました。
国に対する意見書は、法案等の問題点をアピールし、地方の意見書を踏まえた国会論戦を求めるものです。国会の審議を見定めるとする姿勢では、意見書の意味がなくなってしまうことに最大会派の皆さんは気が付かないのでしょうか。
6月議会での論戦が必要です。