市立公民館のコミュニティセンター化の問題に関連して、包括外部監査の意見と公民館活動への支援強化について質問で取り上げました。
市立公民館の管理運営を監査テーマとした今年度の包括外部監査報告書では、「市立公民館に求められるのは、地域のコミュニティ化に向けた変革であり、時代に密着した住民サポートである」とし「多用途利用の可能な施設を目指して変化していく必要がある」と指摘しました。
一般論としては「是」としますが、コミュニティセンター化の必要性に言及し、市教育委員会の取り組みを後押しするとともに、施設の老朽化に対し、可能な限り他施設への機能移転による再編すること、公民館講座の有料化を検討すること、コミセン化を前提した生涯学習センターとの連携を強化することなどを監査意見として打ち出したことがポイントです。
公共施設のあり方、社会教育の公益性において、それぞれ問題を含む意見です。
公民館講座の有料化、否定せず
特に公民館講座の有料化を求める意見についは「受け入れがたい意見」であると受け止めています。
かかる包括外部監査の意見に対する考え方を質しました。
教育次長は「H20年に策定した行政サービスの利用の負担に関する基準において、市立公民館は、市民や社会全体の知識向上や普及啓発を目的とする啓発講座は、公益的・義務的と位置付けられ負担は求めないこととしている」とし「講座の有料化については、この基準に基づき、引き続き十分に検討していきたい」と答弁しました。
他方で「成人学校など趣味的講座は私益的でやや裁量的となっており一定の負担が必要とされた」と述べ、既に成人学校講座の有料化が図られています。有料化にあたっては、経過措置として段階的に料金を引き上げる修正案を提出し、議決してきた経過があります。
答弁で気になる点があります。
「知識向上・啓発のための講座」について基準通り「無料」とするのであれば、「基準に基づき対応する」との答弁になるはずですが、「基準に基づき検討する」という答弁は、今後、“時代の変化に対応して有料化を検討する”姿勢を滲ませたものと言えるのではないかということです。杞憂であれば良いのですが…。
今後の検討動向が要チェックです。
公民館運営のノウハウ向上策の拡充求める
また、公民館の運営(たとえコミセン化されたとしてもです)には、社会教育の推進に必要なノウハウを持った専門職員の確保が重要であることから、社会教育主事や公民館主事の配置の拡充による公民館運営のノウハウの向上、研修・交流機会の確保、とくに指定管理者に移行している公民館におけるスタッフの拡充と費用弁償の充実を強く求めました。
さらに、市立公民館の活動を下支えしているのが地域公民館活動であることから、公民館活動全体の底上げを図るため、経験交流・研修の場の拡充をはじめ、市立公民館を通した地域公民館活動への運営的支援の拡充も求めました。
公民館のスタッフの拡充と費用弁償の充実については、現状維持の答弁で前向きな姿勢を引き出すことができませんでした。
地域公民館への支援については、「住民自治協議会の活動が活発化するに伴い役割が増加していることから、地域の実情に合わせて個々に支援を検討したい」と答弁しました。
引き続き、公民館のあり方、公民館活動への支援について、現場の意見を聴きながら取り組みを強めたいと思います。