1月20日、市芸術館アクトスペースで「公共施設マネジメントのススメ方~持続可能な公共試算整備の実現に向けた取り組み~」をテーマにしたシンポジウムが催されました。
長野市は、「地域を持続可能にする公共資産経営の支援体制の構築(=BaSS)」プロジェクトの研究代表者である前橋工科大学・堤洋樹准教授と連携協定を締結し、芋井地区や篠ノ井地区の公共施設の見直しを考える市民ワークショップのアドバイザーとして活動してもらっています。
BaSSプロジェクトとは、自治体職員が多世代の住民とともに地域生活の基盤である公共資産の望ましい姿を描き、実現させる支援の仕組みを構築することをめざすプロジェクトだそうで、今回はこのプロジェクトに参加している長野市や前橋市、池田市の連続シンポジウムの一環で開かれたもので、長野市としては初めての市民シンポジウムとなります。
シンポジウムでは、篠ノ井地区における市民ワークショップの活動報告を踏まえ、篠ノ井住自協の平林会長や市公共施設適正化検討委員会の松岡委員長、樋口副市長らがパネラーとなり、「自治体ができること×住民ができること」をテーマにしたパネルディスカッションがメイン。
「公共施設マネジメントのススメ方」の一つの手法、しかし重要な手法である市民ワークショップのあり方、行政と住民のそれぞれの役割は何かを考えるというのが趣旨です。
公共施設マネジメントには市民との情報共有と市民との合意形成が不可欠です。
「行政はワークショップでできること、できないことを明確に示すべき」「市民に丸投げで夢を語るだけのワークショップではダメ」「ワークショップを市民との合意形成のアリバイ作りにしてはならない」「市民ワークショップは公共施設の役割を考えるきっかけづくり」「どんな地域をつくるのか、住み続けられる地域に必要な公共施設は何なのか、どのように運営・利用できるのかを考えることが重要」などといったパネラーの意見が印象的でした。
またNPO法人日本PFI・PPP協会の寺沢氏が「公共資産の活用に向け官民連携によるサウンディング型市場調査の手法の検討も必要」と指摘しました。サウンディング型市場調査は民間事業者との対話を重視する手法で、取り入れる自治体が増えています。
篠ノ井地区のワークショップに参加した市民からは「ワークショップをどのように継続するのか、行政とのキャッチポールの先が見えない」といった声が相次ぎました。
樋口副市長は「ワークショップの意見を踏まえ個別計画の策定に活かしたい」と述べるにとどまり、ワークショッ的取り組みの継続に明言を避けました。これでは「アリバイ」に終わりかねませんから、ワークショップの第二展開のステージを考える必要があります。
市では、全地区での公共施設の市民ワークショップを計画しています。ワークショップは公共施設のあり方を考える初めの一歩であり、二歩・三歩と進化させていくことが重要であると考えます。
それにしても、市民参加が課題として残った感じです。
【参考資料】
➡長野市公共施設マネジメント/ニュース・レターvol.3…公共施設等総合管理計画etc.
➡長野市公共施設マネジメント/ニュース・レターvol.4…長野市PFI/PPP手法導入優先的検討方針etc.