長野市議会「改革ながの市民ネット」で取り組んだ市長選挙予定候補者に対する公開質問状の回答が、現段階における予定候補者から8月10日までに寄せられました。
それぞれの回答を一覧表の形でまとめたものが下記のPDFファイルです。対比表にまとめたものです。会派のサイトでも公開しています。
それぞれに誠意ある回答を寄せていただいたものと受け止めます。ありがとうございました。
今日段階の私の個人的かつ雑駁な所感のみを報告しときます。
加藤氏の回答は、現職の強みを生かし、細部にわたり丁寧な回答となっています。安定的な雇用の確保、医療・介護の充実、安心な子育て、社会的弱者への支援、女性や高齢者の活躍の場の拡大に力を入れ、「健康をテーマにしたまちづくり」を打ち出している点が特徴ですが、健康増進のための新しい施策の打ち出しは希薄です。
改革ネットが求めた公契約条例、子どもの権利条例、自治基本条例の制定には、「国・県・他自治体の状況を注視しながら検討・研究する」趣旨の回答で、これまでの議会答弁以上に踏み込む姿勢は見せていません。
放課後子ども総合プランの有料化については、「細やかな減免制度を運用し、利用したい人が利用できる体制を整える」としています。
総じて、市の最上位計画である第五次総合計画をまとめた現職の立場から、総合計画に沿った施策展開の姿勢がにじみ出ているように受け止めます。
一方、新人の土屋氏の回答は、「教育・子育て支援の充実を最優先に取り組み、多様な行政課題を解決するモデルを生み出す長野市にしたい」と強調し、基本的にこの姿勢が各質問の回答に対して一貫したものとなっているように受け止めます。
公契約条例、子どもの権利条例、自治基本条例の制定には、具体的な回答が示されませんでした。
放課後子ども総合プランの有料化については、「放課後の子どもの居場所づくりというより大きな視点から、行政と地域社会、民間が協働してどのような取り組みができるのか、ゼロベースで考え総合的な居場所づくりにつなげていくことが必要」とし、有料化については「賛否両論の意見があることを踏まえ、十分に再検討すべき」との考えを示しました。
しかしながら、「ゼロベースで再検討する」とした具体的な方向性、基本軸が読み取れない回答になっているように感じます。
総じて、出馬会見で「長野市はこんなもんじゃない」とアピールし地域が持つ潜在力の活用を強調された割には、それを裏打ちする政策の打ち出しが希薄というか、未だ政策体系づくりが未消化という印象を拭えません。
今日の団会議では、回答を踏まえ、率直な意見交換を行いました。最終的には、9月市議会での論戦を通して態度決定をしていく方向性を確認するに止めました。
既に、市長選挙巡っては、自民・公明に加え、民進が現職の推薦を決定しました。
会派内には民進党の決定に基づき対応することになる議員もいます。
私自身は、前回選挙で現職を応援しなかった経過があり、党人の一人として回答を踏まえた社民党としての協議、支持労組・団体を交えた協議も必要となります(既に始めてはいますが)。
正直なところ、現段階では消去法でも推すに足る予定候補が……といった処です。
会派としては、それぞれの議員の立場を尊重した取り組みを進める以外に道はないのではないかと考えています。共産党の候補擁立の動向も見極めつつ、これから更に熟慮を重ねたいと思います。
いずれにしても、是々非々で臨んできた加藤市政をどう評価するのかがカギとなりそうです。
私の検証軸は、健康寿命延伸・子育て支援のまちづくり、公共交通優先のまちづくり、そして幸せ実感できるまちづくりです。
ぜひ、回答書をご覧いただき、ご意見を賜りたいと存じます。
市長選と同時で行われる3人定数の議員補欠選挙への対応も待ったなしです。プラス1、7人の会派として再スタートできる選挙戦にしたいものです。