昨年に続く避難勧告…まだまだ要注意です!

避難勧告解除から一夜明けた今日5日、市内は台風一過で青空ものぞいています。

台風3号と梅雨前線による大雨で4日、県の土砂災害警戒情報が発表される中、12時35分に長野市内の安茂里・七二会・中条地区に「避難勧告」が発令され、19時50分に解除される事態が発生しました。

安茂里支所に隣接する避難所の裾花体育館

安茂里支所に隣接する避難所の裾花体育館


大きな被害がなく安堵しています。

「避難勧告」は、安茂里、七二会、中条の3,987世帯9,463人が対象で、地元の安茂里地区内では、大字安茂里地域(杏花台・差出・大門・小路・犀北など)、平柴、平柴台、小柴見、伊勢宮1丁目、宮沖が対象です。
15時05分には、安全が確認されたとし伊勢宮1丁目と宮沖地域は解除されました。

安茂里地区では昨年9月に続く避難勧告です。
今回は、安茂里小市地区が対象から外れています。
県の河川砂防情報スターションが提供する1㎞メッシュでの雨量推移と土砂災害危険度の予測から判断したとのことです。

7月4日付・信濃毎日新聞夕刊より

7月4日付・信濃毎日新聞夕刊より


私は、避難勧告情報を日赤の定期診察に向かう途中で得ました。
病院をキャンセルするかどうか迷ったのですが、日程調整が困難と判断し、診察を受けてから、午後4時半頃に安茂里支所と避難所に指定されている裾花体育館に向かいました。

支所や避難所では、住民自治協議会の会長をはじめ、消防安茂里分団の皆さんが待機し、情報収集や避難勧告地区の地域公民館への避難情況の把握などにあたってもらっていました。

17時50分には、犀川上流の「陸郷」地点(安曇野市明科)で、「氾濫注意水位」に到達したとの観測情報が届き、一時期、緊張した場面もありましたが、事なきを得ました。

避難所の裾花体育館には、解除までに小柴見の住民2世帯2人が自主避難されました。
夜になり不安になって避難されたとのことでした。

自主避難された住民と対応される民生委員

自主避難された住民と対応される民生委員


今回の避難勧告に伴う避難所開設は、初動段階で安茂里支所の防災備蓄品(ブルーシートや毛布、飲料水など)を拠出したことで、大きな遅れや混乱はなかったとのことです。

➡【関連】160921「安茂里地区の避難勧告から一夜明けて…浮かび上がる課題」

「避難勧告」は、気象情報等をもとに早期に発令するようになってきています。自主避難を進める旨の勧告ですが、受け止める住民意識と避難行動への動機が課題となっているように思います。

災害が発生する危険度が高いが故の避難勧告であることをしっかり受け止め、行動につなげることがカギです。

H27年9月の鬼怒川の決壊による大災害では、浸水域で4000人以上の市民が孤立、ヘリコプターなどで救出される事態となりました。

避難情報の見直しの契機となった災害ですが、自治体の避難情報の遅れと、立ち退き避難ではなく屋内安全確保(2階への退避)を選択した住民が多かったことが要因とされています。

また、洪水ハザードマップを見たことがないという人が53%(アンケート結果)の上り、地域の水害リスクが十分に認識されていなかったことも教訓とされています。

長野市においても、洪水ハザードマップ、土砂災害ハザードマップの周知徹底、ハザードマップを活用した防災訓練の実施などが課題になるのではないでしょうか。

九州では豪雨が続き、土砂災害への厳重警戒が続いています。

まだまた予断を許さない状況が続きそうです。

気象情報、災害情報に細心の注意を払い厳重警戒で臨みたいものです。

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