6月議会が終わりました…トピックス❶

木曽谷を中心に県南部を襲った震度5強の地震から一夜明けました。
重篤な人的被害はなかったものの、落石や断水、家屋への被害が広範囲に発生、いまだに余震が続いています。地盤が緩み土砂災害の危険が危惧されます。

心からお見舞い申し上げます。


さて、長野市議会6月定例会は26日、H29年度長野市一般会計補正予算案など市側から提案されたすべての議案を可決し閉会しました。

市提出の議案には賛成、市民からの請願は採択すべき立場を一貫

私は、市提出の16議案には、全て賛成しました。

また、「共謀罪法」の廃止を求める請願や就学援助制度の改善を求める請願など、市民団体等から提出された請願については、全て賛成(不採択とした委員長報告には反対)しました。

可決した請願の内、「地方財政の充実・強化を求める請願」「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める請願」「へき地手当等支給率を近隣県並みの水準に戻すことを求める請願」については、国や県に対する意見書として全会一致で採択されました。

共謀罪法の廃止を求める請願、不採択に反対討論

しかし、共謀罪を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法の廃止を求める請願を否決した上で、総務委員会で新友会所属議員から提出され、論議の末、全員一致でまとめられた「改正組織的犯罪処罰法に関する意見書」については、「法の適切な運用」を求める内容であることから、私は賛成しませんでした。

この点については、改正組織的犯罪処罰法の廃止を求める請願の不採択に対し反対討論を行うとともに、全会一致による総務委員会提案の「意見書」についても反対意見を述べました。

170627「共謀罪法」の廃止を求める請願の不採択に反対討論(27日アップ)

政策・施策で見る6月議会のトピックス

まずは、私が所属する経済文教委員会、まちづくり対策特別委員会のマターが中心ですが、トピックスの一部として報告します。

経済文教委員会委員長として付託案件の審査結果等について報告

経済文教委員会委員長として付託案件の審査結果等について報告

加藤市長、2期目出馬を表明

2期目の出馬を正式に表明した加藤市長。

最終日に改めて「雇用の安定や子育て支援、医療や福祉の充実に向け力を注ぎたい」と抱負の一端を述べましたが、具体論がなく、1期4年間を総括する政策的な論議が深まったかというと課題を残したように受け止めています。

新たに出馬表明している土屋氏の政策と合わせ、さらに検証を深め、次なる4年間の長野市政の展開に向け、政策的な議論を深めることを通して、誰に次を託すのか、私自身の選択を検討したいと思います。

総額1億7,800万円余の一般会計補正予算を原案通り可決

補正予算には、県消防防災ヘリコプターの墜落事故で殉職された市からの派遣職員2名への賞じゅつ金(弔慰金)5,040万円、長野オリンピック・パラリンピック20周年記念事業の経費4,100万円、児童生徒の就学援助で準要保護者に支給する「入学準備金」の単価引き上げによる経費1,690万円、鬼無里の湯木質バイオマスボイラー整備事業の増工分1,800万円、市議補欠選挙(定数3)の経費2,990万円などが盛り込まれました。全員賛成で可決しました。

就学援助…新中学生の入学準備金、3月事前支給へ

新中学生に対しては、小学6年生の段階で「新入学児童生徒学用品費」を事前支給する方針が示されました。12月議会頃には補正予算案が提出されることになりそうです。

議会では市民団体の請願を全会一致で採択し、市側の対応を明らかにするよう求めました。新小学生への事前支給の実施が次なる課題となります。事務上の困難な課題を解決し早期に実施できる前向きな取り組みを期待したいものです。

中心市街地活性化基本計画…国の認定計画から市独自の計画へ

市は、H19年度に国の認定を受けた長野市中心市街地活性化基本計画について、第三期の計画(H29年4月以降)では、全事業の整備内容が確定し地元調整が終了していることや5年間の計画期間内に事業効果が明確に現れることなど国が求める要件を充足することが困難であるとして、新たな計画は市独自の「長野市中心市街地活性化プラン(仮称)」(H29年9月~H34年3月)として策定し、事業展開を図っていく方針を明らかに。

新たなプランでは、計画区域に善光寺・城山公園区域と市庁舎・芸術館区域の約16haを加え、城山公園の再整備、権堂地区の市街整備、県庁緑町線沿線街区の整備、もんぜんぷら座改修事業などを進めるとしました。

予定している事業の熟度が高まるまで市独自計画で展開し、熟度が高まった段階で国の認定を求めていく考えのようです。財源確保には支障がないものとされています。

8月までに計画原案を策定し、パブリックコメントの段階を迎えます。

最大の課題は、権堂地区再生計画の見直しによる大型商業施設を含む再開発事業です。城山公園一帯の再整備も具体的な課題となります。税金をどこまで投入していくことになるのか、しっかり見極めながら、計画をチェックしていくことが重要です。

中央通り歩行者優先道路化事業…新田町交差点以南も市道に移管し整備へ

善光寺表参道である中央通りは、市道である新田町交差点から善光寺までの区間で、道路の石畳化と歩道の拡幅が行われてきました。

県道で道路管理者が異なる「新田町」交差点以南の区間について、H30年4月をめどに県から移管し、市道として一体的な歩行者優先道路化事業を進める見通しを明らかにしました。

長野駅前から善光寺までの区間が一体的に整備されることになりますが、いよいよ公共交通優先のトランジットモール化が具体的な課題になると考えます。

もんぜんぷら座の在り方…解体・再整備を含め検討へ

TOMATO食品館をはじめ、子ども広場じゃん・けん・ぽんや法テラス、消費生活センターなどの公共施設、NTT東日本サービス(コールセンター)のテナントなどが入居し、市民生活の拠点となっているもんぜんぷら座は、築41年を経過し(H14年に市が旧ダイエーから取得)、H28年の耐震診断で「高層棟」部分が耐震基準を満たしていないことが判明。

長野市耐震改修促進計画でH32年度までの耐震化を決めていること、補強による長寿命化には大掛かりな改修が必要であること、公益施設としての利用者は年間約30万人に上り、市民・周辺住民に必要な施設であることを踏まえつつ、耐震補強改修か、解体・再整備かについて、庁内検討会議や外部組織である中心市街地活性化基本計画評価専門委員会、議会の意見を聴き、今年度中に基本的なあり方の方向性を決定したいとしました。

いずれの方向性も課題はあります。また、どれだけの費用がかかるのかもこれからです。中心市街地の拠点施設であり、生涯学習センター(トィーゴ)との連携や、権堂地区の再生計画の有り様、如何なる施設として再構築するのかを睨みながら、施設の在り方を検討していくことが急務となっています。

中条地区に整備のジビエ肉加工処理施設、国のモデル地区指定めざす

国では、捕獲から搬送、加工処理の一連の態勢を整えたジビエ利用のモデル地区を全国で12カ所程度整備するとしていることを受け、中条地区に整備するジビエ肉加工処理施設とジビエ肉の加工・販路拡大について、モデル地区に指定されるよう取り組む方針を明らかに。

財政的にどんな支援があるのかなどは、未だ明らかになっていないようですが、モデル地区指定は“はずみ”となります。

ただし、県内では既に富士見町が地区指定に内定している情報もあり、同一県内で複数指定が可能なのか、課題は残されているようです。県と連携し、モデル地区指定にこぎつけたいものです。

その他に…

既に6月22日のブログで報告した重要案件です。

経済文教委員会の委員長報告で、「市内において重大事態が発生したこと、第三者委員会を設置すると判断したことを重く受け止め…いじめ事案には早期発見、早期対応が必要であること」を指摘し、いじめ防止対策推進法のいじめの定義等について教職員の研修を実施、改めて周知を図るとともに、いじめ事案が発生したときは被害児童生徒・保護者に寄り添った対応を行うこと、市教委及び学校におけるいじめ防止等の体制を見直し、地域とも協力しながら再発防止に向けて取り組むことを要望しました。

市内小学校のいじめ事案…「重大事態」とし第三者委員会を設置、調査へ

第二弾として続く…続ける予定?!

否決となった「市議会議員定数の削減について検討することを求める請願」の顛末、放課後子ども総合プランの有料化に伴う「一緒に遊ぶ機会の提供」方針の問題点や地域公共交通網形成計画の意義と課題、長野赤十字病院の建て替え計画などについて、順次報告していきたいと思います。

170628「議員定数の在り様、検証したい…6月議会トピックス➋」

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