26日、安保法制の違憲訴訟を長野地方裁判所に起こしました。
信州安保法制違憲訴訟の会が取り組む訴訟で、私も原告団の一員となりました。
➡信州安保法制違憲訴訟の会HP
原告団長は又坂常人信州大学名誉教授、弁護団長は佐藤芳嗣弁護士(上田市在住・県護憲連合代表委員)が務めます。
今日段階の原告数は292名(すべて長野県民)で、長野県弁護士会に所属する38名の弁護士による大型弁護団が組織されました。
全国的には、東京や大阪、岡山、埼玉などに続く8番目の違憲訴訟となります。今後、8月中に7件の提訴が予定されているそうです。
「最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である」…憲法81条は裁判所に違憲立法審査権を認めていますが、日本における従来の裁判では、法律自体の憲法判断はできない(付随的違憲審査制説)とし、国民が起こす違憲訴訟には、具体的な権利の侵害が起こること=「事件性」が必要とされています。学説的には分かれている問題ではありますが…。
したがって、安保法制に対しては、二つの訴訟が考えられます。
一つは、安保法制にもとづく自衛隊の出動を許さないとする差し止めを求める訴訟(差し止め訴訟)です。
全国的には、自衛隊の出動に対する差し止め訴訟が起こされていますが、安保法制は施行されたものの具体的に発動されていない情況の下で、裁判所が如何なる判断を示すか、注目されています。
原告適格が大きなハードルとなります。
東京地方裁判所に提訴している差し止め訴訟の第1回口頭弁論が9月29日に行われます。
二つは、安保法制によって平和的生存権、人格権及び憲法改正・決定権が侵害され、精神的に傷ついたのでその損害を賠償してほしいと請求する国家賠償訴訟(国賠訴訟)です。
今回の違憲訴訟は、二つ目の国家賠償訴訟として起こすものです。
当然、安保法制=集団的自衛権行使の違憲性を争うことが大きなポイントですが、「平和の内に生存する権利」(憲法前文)や「幸福追求権」(憲法13条)、「安定した立憲民主制に生きる権利」が侵害されたとして、国家賠償法1条に基づき、「国に対して原告一人あたり10万円の損害賠償を請求する」訴訟です。
長野地裁が示す判断はの見通しは、なかなか厳しいものがあると考えられますが、長野地裁の裁判官の良心を信じたいと思います。
誰でも原告団として参加できます。今後、9月締め切りで原告団を再募集し第2次提訴を予定しています。
3,000円の負担金(訴訟手数料等)が伴いますが、この「国のかたち」を変えさせないために、力を合わせようではありませんか。
私的には、原告適格のハードルが高いとはいえ、新安保法制による具体的な自衛隊の出動に対する「違憲差し止め訴訟」が提起されることも願っています。