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2010年9月24日
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市民会館は「権堂東街区への建設を前提にした議論を」へ!
                  …市民会館建設検討委員会に軌道修正かかる?


日記への掲載では長いので、本編にての報告とします。

今日24日、長野市民会館建設検討委員会が開かれ傍聴した。当初、今日の委員会で建設地に関する意見書の内容をまとめる予定だったのだが、建設地の決定が1カ月延期されたことから、小委員会における意見要旨と小委員会としてのまとめの方向性が示され、10月初旬頃までに改めて意見集約を行うことになった。

問題はその内容である。小委員会の議論とまとめの方向性の報告にあたって、石川職務代理は「行政から基本構想(東街区が最適地であり、合併特例債を活用することなど)に逸脱しないことが条件」と指摘されたことを明かした。「権堂東街区への建設を前提にした意見書を」との行政からの“縛り”があったということだ。

小委員会(委員5人、行政5人で構成し9月3日に自由討議)の議論の報告は「権堂地区に対する不安材料や懸念が残されている。基本理念に立ち返って、どうしても解消しなければならない課題は解消していくという考え方で議論を進めるべき。権堂地区を文化ゾーンに変えていくような市の将来的な考え方が必要。文化課のような文化芸術を所管する担当課が必要」など、出された意見を踏まえ、意見書は「権堂東街区の建設を前提とし、基本構想に示す基本理念の実現のために必要な条件を付す内容のものにする」方向性を示すものとなった。現在地で建設は「最後の逃げ道」、「保険」との意見として紹介され、事実上、現在地での建設の検証を捨象し、議論を封じ込めてしまう作用をもたらした。

建設検討委員会の議論としては、これまでの議論を踏まえると、大きなターニングポイントとなる委員会となった。しかも小委員会は、現在地での検証結果が示される前の9月3日である。9月市議会での議論も踏まえてもらい、9月21日に公表された「現在地案の検証結果」を平らな目線で検討する余地を残すことが、市民の期待に応える道なのではないだろうか。今日の委員会で、21日に公表した「現在地案の検証結果」が報告されたが、「権堂が大前提」との“縛り”の中で、現在地の検証に対する意見は出ず顧みることが排除された格好となった。行政側の「権堂東街区」へ意図的にリードする姿勢は、看過できない問題だ。

それでも、委員からは「ゆとりのない狭い敷地面積」「権堂という街の環境」に対する不安や疑問が相次いだ。「文化ゾーンとしてのまちづくりの設計を将来的な課題とするだけでは不安は解消しない」「権堂東街区への建設は、私たちの不安や疑問が解消されることが不可欠」との発言に象徴される。長野コンベンションビューロの市川理事長(元・市助役)が、「文化芸術の創造とまちづくりの二兎を追うのはよいが、敷地の狭さが心配。ヨーカドー4Fやしなのき、若里市民文化ホールの改修も含め、周辺に(市民会館の機能を)補完する施設を考え、市民会館にゆとりを持たせること。重病人である権堂のまちの再生は容易ではないが、どういうまちづくりを進めるのか、行政側が専門部署を設け検討し市民に示す。これらが条件だ」と述べたが、行政の不作為を指摘しつつも「権堂東街区での建設」にレールを敷く効果を呼んだ発言だ。一方で、「中心市街地の再生は多額の税金を投入しながらも成功事例は少ない。権堂も然りだ。時間を要する問題だ」とも発言、また「市民会館は合併特例債を使わないことも選択肢」と受け取れる趣旨でも発言、行政を知り尽くしている元助役の発言故に注目してよいだろう。

それにしても、行政側の何でも呑み込んで「権堂東街区」へ結論付けようとする姿勢には、ある意味、驚きだ。委員からの「文化ゾーンの設定を」「東街区の南側(県信ビルの部分)に公園を」「ヨーカドーの連絡デッキはイベントができるように拡大を、緑化で芝生とかも」「権堂A地区・C地区の計画はピークが過ぎた再生計画、劣化した繁華街をどう再生するのか、答えを」との意見に対し、すべて「検討する」と答え、すべて実現できるかのような印象を与えていることは、無責任な対応と言わざるを得ない。「ヨーカドーは長期に営業継続してもらえる」との総務部長発言に至っては、何をか言わんやである。

委員会の皆さんの「権堂での建設は、不安や懸念が解消されることが条件」との姿勢は基本的に理解する。ここは頑張ってもらいたいと思うのだが、「果して不安や懸念が解消されるのか」という根源的問いかけに対し、私は「いいえ、できない」との答えしか思い浮かばないのだ。私は、権堂東街区が最適地を大前提とする議論の段階から、東街区案と現在地案を公平に検討する段階に移行していると考えている。そもそも東街区案は基本構想にはなかった案なのだから。

建設検討委員会には、例えば、現在地における市民会館と庁舎の「そっくり建て替え方式」(併設第2案)との比較検討を行ってもらいたいと願う。今からでも遅くない。市民に公表されている検証結果の一つなのだから。新しいメンバーで開かる10月4日の議会の特別委員会は、建設検討委員会とは違った意味で、ターニングポイントにしたいものだ。

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