今日の話題
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2010年2月12日
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第一庁舎・市民会館基本構想案で市長と意見交換…平行線に終わる


市民ネットの見解のポイント 今日は第一庁舎・市民会館の基本構想案に対する市民ネットの「見解」をもとに、市長との意見交換が行われました。会派としては最後のようです。
 市民ネットの基本構想案に対する見解のポイントは次の通り。詳細はこちら
?耐震強度が不足する第一庁舎・市民会館ともに合併特例債を活用した建て替えを是とする。ただし、耐震補強工事とのコスト比較で建て替えが有利であること、市民サービスが向上することなどを前提条件とする。?市民会館の基本構想案では、建設場所と規模について賛同できない。?市民会館の建設地は不確実な再開発計画に依拠する権堂B地区ではなく、現在地を第一候補とする現実的な基本構想案に転換する。現イトーヨーカドービル及び長電本社ビルは、老朽化した施設ではなく耐震基準を満たしていることから、解体することは環境にやさしい施策とならない。?メインホールは、現市民会館の利用状況で1000人未満が8割であることから、市民の日常的な利用に資するよう1000人程度の規模とする。?公聴会などを含め、全市的な説明会を開くなど、市民意見の集約と市民合意の形成に積極的に取り組み、補強・修正に柔軟に対応する。
【右の表は2月9日の信濃毎日新聞より/市議会各会派・無所属議員の賛否】

「現在地はあくまで次善の策」とする一方「権堂にも弱点」と市長
 市長との意見交換は、市民ネットの見解で基本構想案の転換を求めた部分では平行線のまま、「次善の策である現在地は狭く、駐車場の問題もあり、第一候補とすることは困難。あくまでも次善の策である」とし、権堂地区での建設に向けた条件整備を進める考えに固執しました。一方で「権堂B地区には弱点がある」とし、イトーヨーカドーの経営継続が課題であるとの認識を改めて示し、市とイトーヨーカドー、長野電鉄及び設立される予定の再開発組合の4者で、期限を定めた存続協定を締結する必要があるとの考えを示しました。
「権堂地区の短所・課題」への考えは不明確なまま
 「建設検討委員会の提言」でも指摘された権堂地区の短所と課題、すなわち権堂商店街との賑わいの相乗効果が不明確、権堂のまちのイメージと文化芸術拠点としての市民会館とのイメージの調和に疑問、大型店の存続に特化した再開発の印象、さらに築32~33年のヨーカドービルや長電本社ビルは壊さず有効活用することが必要、などについては、「大型店の存在は権堂地区にとって不可欠な課題。今のままではイトーヨーカドーは撤退となる」としたものの、あとの3点について明確な答えはありませんでした。あえて言えば、「権堂地区では3つの再開発計画があり、いずれ解決される」といったところでしょうか。いずれにせよ、不安定で不確実な権堂地区から現在地への建設場所の変更、1000人規模のメインホールとすることを強く要請し、意見交換は終わりました。
「権堂地区に建設で中心市街地の改造を」と市長
 市長は、昭和40年代から50年代に形成された「中心市街地の改造の時期」にあるとし、耐震基準の厳格化、そして環境保全への取り組みなど、まちづくりを取り巻く環境がガラッと変わる中で「まちの構造を変えることが重要」と述べました。つまり、権堂地区への建設が中心市街地の改造につながるとの考えです。この「まちの改造」に関して私は、「エコでスローなライフスタイルへの転換が時代の要請だ。何でも壊して新しく大改造という時代ではない。権堂地区では裏通りに庶民の生活感があふれる古き良き街並みが残っている。これを大切にすべき。エコでスローなライフスタイルを支えるまちづくりを考えるべき」と反論しました。また、すべての公共施設について老朽化が避けられない中、現在の公共施設のあり方を検証し、統廃合を含めハード部分の将来設計図をつくり、市民負担のあり方を見極めていくことが重要であると提案しました。
「庁内会議である政策会議は情報公開から除外」…情報公開の後退を示唆
 情報公開にかかる部分で市長は「政策会議を公開対象とする現在の情報公開の基準を見直す」との見解を示しました。これは情報公開そのものを後退させることに他なりません。政策決定過程における透明性の確保という観点から、行政内部の政策協議の公開について、より積極的で明確な基準こそを確立する時です。市長の発言は看過できません。
 また、市民合意の形成にあたり、基本構想案の資料などを「地域回覧」に付すことや「モニター制度」については具体化を検討するとしました。
軌道修正へ、市は市民合意の形成にもっと意を尽くすべき
 「現段階では権堂B地区が適している」との判断は、一つの判断を示したに過ぎず、余りにも不安定・不確実な要素があり過ぎます。短所として指摘された課題などについて、明快な考え方が示されてとはいえません。市民に予断を与えることなく、現実的な方向性として、現在地を「次善の策」ではなく第一候補として再考することを引き続き提案していきたいと考えます。
 市民ネットとしては、私たちに寄せられた市民の皆さんの意見を踏まえ、再開発事業に乗っかることの不安定さに警鐘を鳴らし、軌道修正を図りたいと考えて見解をまとめました。
 
しかしながら、議会の過半数が基本構想案を支持する姿勢を示していることから、粛々と進んでいってしまうのでしょうか。情報の十分な開示は、いまでもすぐにできることがあります。市民合意の形成にもっと意を尽くすことに力を注いでもらいたいと強く思います。

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