１月６日、６回目の商店街活性化条例検討委員会が開かれました。昨年１２月議会に先立ち、商店会連合会など商工団体の皆さんから、商店会への加入を促進でき、地域コミュニティの核として商店街を活性化する条例を制定してもらいたい旨の議長陳情を受けて、議員提案で条例を制定するため、すべての会派代表と無所属議員により構成される検討委員会を立ち上げ、１２月議会の最中から検討を続けてきました。市民ネットの代表として委員会に参画しています。
　これまでの５回の委員会審議を踏まえ、６回目の今日は、条例の最終素案について検討し、一応全体で確認しました。前段では議会陳情された５団体の代表、長野商店会連合会・渡辺会長、篠ノ井商店会・田島会長、松代商店会・佐藤会長、長野商工会議所・今井専務理事、長野市商工会・窪田事務局長らとの意見交換も行いました。【写真】
不況の折、商店会会員の休廃業が相次ぐ一方、全国フランチャイズ店など地域に生活基盤のない事業者による新規出店が増加する中、商店会の弱体化が余儀なくされ、地域活性化のマイナス要因となっていることから、商店会活動を再生し商店街を活性化させることに狙いがあります。もっと端的に言うと、商店会の街灯の維持にですら四苦八苦するような厳しい現状のもとで、条例を足がかりに大型店やフランチャイズ店の商店会への加入促進に弾みをつけたいとの切実な思惑があります。
条例は、任意団体である商店会への加入を事業者に強制することはできませんから、地域経済の発展、地域コミュニティの維持・強化に向けた一つの核として商店街を位置付け、まちづくりの観点から、商店街を形成する事業者の参加と協力のもとに商店会等の地域貢献活動を促進しようとするもので、商店会、事業者、経済団体及び市の責務を定め、市民の協力のもとに商店街の活性化を図ることを定める理念条例となります。責務を努力目標として定めるもので罰則等は規定していません。
問題は、条例ができたからといって、自然に商店会への加入が増えたり、商店街の活性化が進むものではないということです。そこに、商店会及び連合会の主体的な努力がなければ、「絵にかいた餅」に終わってしまいます。また、商店会加入率の低い中心市街地の商店街への対応にとどまらず、全市的に商店街が活性化する方向性を創りだしていくことが問われていると考えます。
　私自身は、条例制定が契機となり、所期の目的が達成されるような効果を期待して、条例案をまとめていきたいとの立場で、委員会の協議に臨んでいます。「歩いて暮らせるコンパクトなまちづくり」には、生活圏域の中で個人商店の皆さんが頑張っていてもらうことが不可欠です。そのためには消費者である地域住民の皆さんが地域のお店を使う協力が必要であり、お店には魅力ある商品を提供する経営努力が求められます。商店会のつながり、連合会のつながりを通して、個人商店・事業者の皆さんの奮起を応援できる条例となることを期待しています。
　期待される効果が達成されるには、商店会連合会が中心となって、商店会加入促進連絡協議会（準備会）の立ち上げ、商店街活性化・加入促進マニュアルの作成と徹底、商店会組織のない地域、或いは消滅した地域での活性化の指針づくり、地域貢献事業の具体的なメニュー作りが欠かせません。商店会連合会や支援する経済団体の皆さんには、行政の協力を得ながら、「商店会が抱える地域ごとの課題と対策」をパターン化して整理し、「活性化に向けた地域の事業者の皆さんの取り組みの指針」を早期にまとめてもらいたいと考えます。条例制定の動きと並行して取り組みが進められることを期待します。
１３日には、商店会連合会が呼びかけている「商店会加入促進条例検討協議会」が開かれます。議会側で検討している条例素案を報告しながら、当事者の皆さんの意見を聴く場となります。議会内に検討委員会を立ち上げたことから「屋上屋」の感は否めませんが、現場の皆さんとのやり取りを通して、期待される効果が上げられるような条例にしていきたいと考えています。
３月議会での条例制定に慎重な意見があります。商店会や事業者の皆さんと一緒に条例をつくっていくプロセスを大事にしたいと思いますし、期待される効果を具体的に検証することは重要なことですが、多くの商店会が４月から新年度事業に入ることを考えると、条例を追い風とする取り組みが始められるよう、３月議会で制定していく方向で検討審議を尽くす努力をしたいと考えています。そのためにも、商店会の皆さんには前述した課題について２月頃までにある程度具体的なものを打ち出してもらうことが、重要となっています。長野市議会便りや市議会のホームページを通じて、市民の皆さんの意見を求めることを予定しています。市民の協力も定めることになる条例ですから、ご意見をお寄せいただきたいと思います。