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09年3月4日
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09年3月議会…一般質問をしました。質問内容を掲載。


 昨日からの4人の会派代表による代表質問に続いて、4日午後、一般質問のトップバッターで質問しました。通算で12回目、改選以降で3回目の本会議質問です。取り急ぎ質問内容を掲載します。実際の質問では時間の都合から割愛したり、まとめたりしていますので、ご了承ください。
 試行で持ち時間制となった初めての議会ですが、やっぱり時間が足らなくなってしまいました。わかりやすさに留意したのですが、再質問が不十分に終わりました。足らざる部分は委員会審議で補強していきたいと思います。
【写真は質問席からの質問、役所の庁内放送のテレビ画面から】


 11番、市民ネット 布目裕喜雄です。発言通告に基づき、テーマごとに区切ったりしながら、一問一答方式で質問します。

1.まず最初に、「市民生活の根幹を揺るがす非常事態」…暮らしのセーフティネットをいかに拡充するのか、についてです。

 未曾有の大不況で「非常事態」となっている市民生活。市民の皆さんが、職に困窮したり、基礎的な医療や教育が受けられなかったり、家を失ってさまよったり、家族が離散せざるを得なくなったりしないよう、暮らしのセーフティネットを張りめぐらすことが何よりも重要です。

本来は基本的に国の責任、政治の責任ではありますが、緊急経済対策が講じられているものの、目を覆うような政治の貧困を前に、「非常事態」だからこそ、自治体が「公の責任」においてセーフティネットを拡充しなければならないと思います。


そこで、具体的に5点まとめて市長に伺います。

 一つは、職・雇用の確保についてです。県では基金等を活用し5,000人の雇用の受け皿をつくるとしていますが、長野市においては、何人の雇用の創出を見込めているのですか。これまでに臨時職員20人の枠を確保しましたが、正規労働を望む失業者とのミスマッチを乗り越えられないでいます。ニーズにこたえられる臨時職員枠の拡大が必要であると考えますがいかがですか。さらに正規職員の前倒し採用枠の拡大も必要と考えますがどうですか。農業や林業、介護職場で雇用確保をとよく言われますが、現実的で具体的な受け皿とするためにどんな対策を講じていますか。また職業訓練への無償支援についても考えを伺います。

 二つは、住・住まいの確保についてです。市営住宅の用意がされました。しかし、有料で風呂がまや浴槽などは自前で用意しなければなりません。融資制度とのセットも考えられますが、無償貸与の道も考えるべきであると思いますが、いかがですか。


 三つは、医療です。国民健康保険の資格証明書の発行について極めて抑制的であらねばならないということです。医療を保障するため、離職や収入の不安定な世帯に対し、保険証を取り上げない手立てを十分に講じるべきです。所見を伺います。


 四つは、雇用・生活相談のワンストップの総合窓口の開設についてです。失業者の皆さんは、ハローワーク、もんぜんぷら座の「職業情報・相談コーナー」、生活支援制度は社協と複数の場所を訪問しなければなりません。これだけで疲れ切ってしまいます。これからのことを考えて、総合相談窓口の開設についてぜひ検討してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

 五つに、支援資金制度の拡充です。県社協においては長期生活支援資金や離職者支援資金等が準備されていますが、連帯保証人の設定をはじめ、とりわけ非正規労働者の皆さんにとってはハードルが高いものとなっています。県への要件緩和を働きかけるとともに、市独自の支援策も必要です。また、県の勤労者生活資金緊急融資制度、あるいは、要件が緩和され、返済の全額免除も盛り込まれた国の就職安定資金貸付制度など具体的な生活支援のメニューについて、周知を図ることです。考えを伺います。

*08仕事納めでの市長訓示…「公の負担増は多少はやむを得ない」「民間に元気がないからからこそ、行政の出番」「新しい行政の仕組みづくり」発言の真意

*20年度まちづくりアンケートの結果、 「住みよい長野市をつくるために特に力を入れるべき課題」ベスト5の重みと受け止め

1位「医療体制の整備・充実」ダントツで42%

2位「安定した雇用の確保」

3位「介護予防の充実、介護サービスの充実」

4位「子育て支援の充実」

5位「利用しやすい行政サービスの提供」

これにバスや鉄道などの移動手段の確保が続く。

体感的、主観的な傾向ではあるが市民が市政に何を望んでいるのかをつかむ重要な目安。新年度予算案の編成における「選択と集中」の基準していくことが必要である。



2.利用者負担の増加…値上げで市民活力は失われないのか、市民の声はどう活かされるのか、について質問します。

(1)昨年11月に公表された「利用者負担に関する基準に基づく(利用料金)見直し方針」によれば、70の行政サービスで値上げが必要とされ、そのうち講座受講料や入館料、がん検診受診料など49のサービスについては、現行料金に比べ1.5倍の値上げを検討するというものです。しかも1.5倍は激変緩和措置、3年後には再度値上げを検討するというものです。現在、無料である児童館・児童センター利用料や老人福祉センターの受講料など8つのサービスについても有料化するとしています。さらに働く女性の家講座受講料(1.5倍)や老人憩いの家入浴料(1.5倍)、少年科学センター(1.22倍)や博物館の入場料(1.5倍)などはH22年度4月実施の方針を明らかにしました。

 「受益と負担の適正化」の名のもとにすすむ利用者負担の見直し、新たな負担の増で市民の活力を喪失させはしないか、非常に危惧しています。

(2)1期4,300円の受講料を5年間にわたり段階的に8,000円まで値上げすることになった成人学校は、今、どうなっているのでしょうか。確実に受講生が減少しています。値上げ前のH18年度は1期分で165講座に3699人、値上げ初年度のH19年度では158講座、3367人、前年比で332人の減、H20年度では151講座に3120人、H18年度比で579人、16%の減となっています。受講生の皆さんに聴くと、「やはり値上げが響いている。さびしいね。元気なくなるよ」との声が返ってきます。

この現実をどう評価するのかです。やむを得ないとするのか、軌道修正するのかの分かれ道です。

 ここで、H20年度の行政評価・成人学校にかかる「事務事業評価シート」を見てみましょう。成人学校の成果として期待することに「一人ひとりが充実感を持ち、互いに尊重しあう心豊かで生きがいのある人生を送ることができ、また学んだことを地域に還元していくことで人も地域も活力が生まれる」と記載されています。また、「今、実施しない場合、どのような支障が生じるのか」の欄に、「いつでも、どこでも、誰もが、学ぶことのできる環境が減り、生涯学習の機会が減少する」「公民館という地域のつながりを得る場所での学習により培われている連帯感等活力が失われていく」と書かれています。

残念ながら、今、まさにその途上にあるといえるのではないですか。

 そして、行政評価部会の評価結果ではこんな評価となっています。「公民館の他の講座や勤労青少年ホームの講座、働く女性の家の講座等同様のサービス」があり、また「民間で同様のサービスを提供する主体が存在」するので(もっとも民間のカルチャースクールと公民館の成人学校は目的が違いますが)、「市としての事業は縮小する必要がある」としているのです。活力を失う道を促進しようというのですか。

 成人学校の縮小の原因をどう考え、利用向上策をどのように図るのか、これからの対策を伺います。また、成人学校受講生をモニターとした意識調査などを行い、ニーズを把握するとともに、料金値上げのマイナスの影響度を検証すべきです。対応を伺います。


(3)市長は「機械的に基準を当てはめることはしない」としてきましたが、検討結果を見る限り、検討対象とした146事業の約半分の事業で値上げを実施する中身となっており、「基準に基づく値上げありき」になっているといわざるを得ません。

 12月議会では、「あくまでも暫定数値」と断りつつ、70事業での値上げで約8億円の収入増(市民、利用者から見れば負担増)になる見通しも明らかにしました。8億円の影響は計り知れません。

 折しも大不況で生活苦が増している中にあって、はたして市民は耐えられるのでしょうか。生きがい・健康の増進、生涯学習の拡充という観点から考えると、いろんなサービスの値上げは、市民の元気、頑張りを喪失させることにつながりかねません。今ですら悲鳴が聞こえてきます。

 基準に基づく適正な利用料金は何をもたらすのか、市民の許容度はどこにあるのか、失うものはないのか、市民の活力を維持するために必要な施策とは何なのか、こんな観点から見直し案そのものを見直すときだと考えます。政策的判断として、「実施を凍結する」という判断も必要でしょう。行政改革推進局長に見解を伺います。

(4)市長は今後、「いろんな場所で市民の声を聴いて料金改定の是非を決めたい」としていますが、どんな場所でどのように聴くのか、どのように市民の声が反映されるのか、はっきりとした手法が見えてきません。市民会議やみどりのはがきだけで十分でしょうか。

 具体的な料金改定は、パブリックコメントの対象除外になっているとのことですが、まちづくり提案制度の見直しも必要です。

 利用者負担の見直し案、すなわち値上げ案を広報紙に特集を組んで情報開示し、意見を募ること、あるいは住民説明会を開くなど、をぜひ進めてもらいたいと考えます。

また、講座や施設利用、がん検診にあたり、利用者アンケートを実施し、市民の声、実態を把握すべきです。最終的な判断をする際の材料を市民から得ていくというスタンスを確立してもらいたい。行革推進局長に見解を伺います。

*基準に基づく論理的負担額に対し、市民から見てどこまで負担でき、所期の目的を達成できるのか、との折り合いが必要。そこに政策的判断がある。

*「市民が主役」とは?


3.市民病院改革プランは市民の医療ニーズに応えられるのか

(1)「医療崩壊」が叫ばれる今日、一貫した医療費抑制策がもたらした医師・看護師の不足、診療報酬の引き下げ、入院日数の短縮などで地域の医療基盤を支える自治体病院や公的病院が閉鎖に追い込まれるなど、地域で安心して医療が受けられない状況が全国で広がっていることは深刻です。一方、勤務医など医療スタッフの過重労働が問題になってきていることも見逃してなりません。市民病院も例外ではありません。

 プランをまとめた経営委員会の議論では、今回の計画を策定するにあたって、最大のネックは医療費の抑制を基調とする医療制度改革と100床の増床事業における減価償却費等の増加にあるとされています。H18年度までは、一般財源の投入により収支バランスが取れていたものが、増床と救急機能の拡大でバランスが崩れているとも指摘されています。


(2)市民病院が、採算を第一としない政策医療の現場として、高度で専門的な医療を提供し続けられることを願いつつ、以下質問します。

 一つは、100床増床の必須度と将来にわたる確実性についてです。過ぐる12月に市民ネットで行った予算要望で400床の早期フル稼働体制を求めた際に、市長は「今から考えると100床は過大であった」と述べました。医療費包括払い制度の導入や入院日数の短縮による収入の大幅な減少や今日の医師不足は想定外だったための結果論ということなのでしょうか。
 改革プランを受けて、どのように考えているのか、市内の医療機関全体の中で市民病院に求められる医療需要をどのように考えているのか、現在、全く稼働していない50床の有効活用をどのように考えているのか、市長に所見をうかがいます。

*計画そのものは、H21年度から23年度の3カ年計画、H25年度の5年間で増床した400床のほぼフル稼働させ、経常黒字に転換させることを大目標にし、経営形態としては「指定管理者制度」を継続。

*市民病院の単年度収支は、ざっくりとして100億円の規模で、一般会計から19億円繰り入れてもなお8億7千万円の赤字、累積欠損金は20年度末見込みで16億円という状況。

*今後、医療機器の更新で大きな投資が必要。指定管理者の経営体質の改善・健全化の努力は必要だが、一般財源の投入より安定化を図る必要がある。

*内部留保金の活用

(3)それでは、続いて生活部長に2点伺います。

 一つ目は、この経営健全化計画を達成するために必要な医師・看護師の確保の見通しについでです。プランでは3年間で医師81人態勢、看護師346人態勢を計画しています。今年度の見通しも含めてプラン全体の達成見込みについて伺います。


 二つ目は、市民病院の役割についてです。プランでは「すべての診療科において高度な急性期医療の提供に努める」とし、包括的ながん診療体制、救急医療の充実、心疾患・脳血管疾患の診療体制の充実の3つを重点医療にするとしています。なるほどなと思いつつも、現在の11市町村で構成する長野保健医療圏における役割分担、長野市内における厚生連や日赤、民間医療法人の総合病院の存在を考えた時に、市民の医療ニーズに応えられる医療体制を総体として作るという観点から、おのずと役割分担や市民病院の役割の特化が求められてくると思います。私は、地域性に立脚しつつも、救急医療の充実と共に、がん診療を中心とした高度専門医療機関に特化していくことが必要であり、足らざる部分を市内の病院・診療所、長野保健医療圏の病院と連携して対応していくということが必要であると考えますが、所見をうかがいます。

*病病連携、地域のかかりつけ医との連携、長野市医師会との連携

*外来制限の影響は?

*H20年8月、4週にわたって救急外科手術できずの事態、救急機能は万全か?


4.地域公共交通の維持・再生について企画政策部長に一括して質問します。

(1)まずは、長野電鉄「屋代線」の存続問題です。

(乗客減少によって、ここ10年間の累積赤字19億円、一方、新たな設備投資に30億円必要という事態は深刻です。しかし、屋代線は上下線ともに15本で一日1,062人、年間で484,500人の利用者がいます。うち定期利用者が8割を超える水準で、高校通学や通勤の重要な足になっている現状が伺えます。)

 鉄道・鉄路は、いったん廃止すると元にも戻すことは不可能です。すでに市長は「屋代線の活性化と再生に向けて取り組む」ことを基本にし、「活性化再生法」に基づく法定協議会の早期立ち上げ方針を示しました。

確認の意味で質問します。支援の具体的中身はこれからだとは思いますが、鉄路として維持・存続すること、「市民の足を守る」観点から、県と連携し、長野市がリードする形で存続に向けた支援策を講じていくことを基本的なスタンスとして取り組みを進めてもらいたいと考えますが、所見を伺います。

(2)(電鉄側は「廃線という選択はしたくない」と述べ、運賃値上げを検討しているとも報じられました。経営の現状を知れば知るほど、「支援策」とは言って見てもそう簡単なことではありません。毎年2億円近い赤字を産む電車を維持するために、果たして投資することが妥当かどうか悩むのは当然なことです。国は三セクとか上下分離方式をメニューとしていますが、現実的な選択肢とはなかなか言えません。)

 県の中期総合計画では、県内の鉄路延長キロを維持するとしていることもあり、県との連携をしっかり模索してもらいたいと思います。

 「乗って残す、乗って活かす公共交通」がスローガンとなっている今日、沿線住民の皆さんの取り組みも重要といわなければなりません。住民自治治協議会の皆さんと連携して、一緒に「屋代線を地域に活かす」検討を始めてもらいたいと思います。地域の皆さんへのアンケートや、観光振興や農業振興なども含め活発に論議し提案をし、出来ることは即実行する時です。所見と対応方を伺います。

(3)昨年12月に長野市交通対策審議会が公共交通の利用促進について提言をまとめ市長に提出しました。(「公共交通の再生は急務」であるとし、)誰もが安心して移動できる交通環境の整備を図るために、将来の長野市を見据えた指針として、仮称「長野市交通体系ビジョン」の策定を提言したものです。

総合的な公共交通プランの策定については、私自身、議員になって以来、一貫して求めてきた課題でもあります。自由に移動できる権利を保障する見地、地球温暖化防止、環境問題の見地、そして超高齢社会を迎える中で公共交通優先の歩いて暮らせるコンパクトなまちづくりを進める見地から、マイカー利用の抑制を含めた総合的な公共交通ビジョンの策定に今こそ取りかかるときです。

 審議会の提言を活かし、国の支援を受ける当面3年間の総合連携計画事業を第一段階として、市民参加のもとに、10年先、20年先を見据えた長野モデルの総合公共交通プラン策定に着手されることを強く求めます。所見を伺います。

*バス交通「根本的な部分で思い切った対策を講じる必要」は?

*公共交通機関活性化基金



5.都市内分権、「市が認定する住民自治協議会」との規定は自治の理念に合致するのか、との視点から質問します。


(1)住民自治協議会は今年度中に30地区すべてで設立されるとのこと、関係地区市民の熱心な努力に敬意を表したいと思います。さて、「新しい自治の仕組み」となる住民自治協議会と市の協働に関する条例案は「将来的に長野市の住民自治基本条例の一角をなしていく」初めての条例です。最終的に自治基本条例を誰がつくっていくのかという点では、議会側の課題と責任も大きいものがあると考えている一人です。

 せっかくの第1号条例ですから、市民自治の理想と理念が簡潔に盛り込まれる必要があったのではと思いますが、これからの課題でしょう。

(2)問題にしたいのは条例案第2条「住民自治協議会は市が認定する団体である」との規定についてです。

 市行政と住民自治協議会の関係は対等・平等であり、故に「協働関係」を築くものとなります。はたして「認定」という表現、規定は、この対等・平等という関係を的確に表しているのでしょうか。「認定」という言葉は上下関係を想定させます。

 私は、「住民自治協議会が長野市に届け出て、市長が合意する、あるいは同意する」との規定がふさわしいのではないかと考えます。

既に地区代表者会議で了解済みとも伺っていますが、住民自治協議会という「新しい自治の仕組み」をスタートさせ、市行政と自治組織との関係を規定する条例です。自治の理念を一貫させる規定とすべきと考えますが、企画政策部長に所見と対応について伺います。

*伊賀市の自治基本条例、住民自治協議会の定義などの先進例

*「市としての責務・主体性」を書き込む必要というが、「住民自治協議会側の自主性、主体性」はどのように尊重されるのか。お上的発想を脱却できていないのではないか。

*付則への「見直し」の書き込み。または付帯決議。

*委員会で論議を

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