■18日の議会基本条例検討特別委員会(第5回)で
18日、議会基本条例検討特別委員会が開かれ、議会基本条例に先立ち制定に向けて審議してきた「議員の政治倫理条例」の素案骨格が固まりました。議員の飲酒運転の発覚と議員辞職という、議会への信頼と議員への市民からの負託を裏切る事件にあたり、検討してきたもので、全国の議員政治倫理条例の事例を研究しながら、5回の委員会審議を経て要綱案にまで到達したもの。今後、3月9日に予定する次回の委員会では正副委員長でまとめる「条例素案」を審議、3月議会閉会後の24日に「全議員への説明報告会」を開き、全議員の意見を集約、必要な補強修正の上、6月議会に条例案として上程し、議会の意思として決定していく段取りです。
■議員としては当たり前のこと、議会のケジメとして条例化
議員の政治倫理は、法令順守はありたまえのことで、人として当然にして守るべきモラルについて、議員は市民からの負託を受け選ばれている立場から、より強い倫理観と行動規範をもっていなければならないという、いわば「当たり前」のことを条例にするというものです。こうした条例を必要としなければならない事態を招いたことが深刻なことだといわなければならないでしょう。議会に対する信頼を失墜させるような不祥事を二度と繰り返さない決意を示すという意味で、議会の総意としての「ケジメ」だと私は考えています。
私は副委員長として、委員長と連携し、折角つくるのであれば、先進的な事例を取り込んだものにしたいとの思いで議論してきました。各自治体の倫理条例は議員が関わる贈収賄事件等に端を発したものが多いのですが、エッセンスは取り入れることができたと思っています。条例のポイントなどを紹介。倫理条例の次はいよいよ「議会基本条例」の検討です。
■長野市議会議員の政治倫理に関わる条例のポイント
?当たり前の議員政治倫理規準を明文化し遵守することを明記
?議員を監視し不正を働かせないという趣旨の市民の責務も明記
?政治倫理の審査請求は議員とともに、市民にもできることを明記
?政治倫理審査会は原則公開とすること
?審査会は議員辞職勧告や役職辞任勧告などの重い勧告を決めることができること
?議員辞職勧告等を行う場合は、3分の2以上の出席で4分の3以上の議決を必要とする
ことを規定
?審査会は非審査議員に対し資産公開を求めることができると規定
?条例の見直しは必要に応じ行うことを規定
■長野市議会議員の政治倫理に関わる条例の骨格
【条例の目的】…議会政治の根幹をなす政治倫理確立のため、議会の秩序と名誉を守り、市民の信託に応え、もって清潔で民主的な市政の発展に寄与すること。
【議員の責務】…?議員は市民の代表者であることを自覚し、自らの行動を厳しく律し、政治倫理の向上に努めること、?全体の利益の実現をめざし行動すること、?疑惑をもたれた時は自ら疑惑を解明し、責任を明確にする義務を負うこと。
【市民の責務】…市民は主権者として、議員に対し、その地位による影響力を不正に行使させることのないよう努めなければならないこと。
【政治倫理規準】…?議員の品位と名誉を損なう行為により、議会に対する信頼を損ねてはならないこと、?特定の事業者等のために有利な取り計らいをしないこと、?政治的・道義的批判を受けるような寄附を受けないこと、?市職員に対し、権限や地位を利用した不正を行使するよう働きかけないことを規定
【審査の請求】…政治倫理規準に反する疑いがあるときの審査請求権は、議会はもとより、市民にも請求権を認めることとし、議員の場合は議員定数の12分の1以上(4人以上)と2つ以上の会派の議員の連署を必要とし、市民の場合は有権者総数の100分の1(約3000人)以上の連署で請求できることを規定。
【政治倫理審査会】…?議会内に議員11人で構成する任意の組織として「政治倫理審査会」を設置すること。?議員辞職勧告や役職辞任勧告等を決める場合は、議員の名誉や身分にかかわることから、委員の3分の2以上の出席で、その4分の3以上の多数決で決するようハードルを高く設定。?審査会は原則公開とし、出席委員の3分の2以上の多数で非公開とすることができると規定。?審査会は審査請求人や識見を有する人から意見を聴くことができるともした。
【議長の措置】…審査会が必要と認めた措置(勧告等)は議長が講じるものと定め、同時に市民に公表することを規定。
【資産公開】…審査にあたり必要な場合に、非審査議員の資産公開を求めることができると規定。
【条例の見直し】…条例の規定は、必要に応じ見直すものと規定。
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