今日の話題
今日の話題
08年12月6日
トップページに戻る トピックス・長野市議会に戻る 次のトピックス
12月議会が始まりました…市長の所信表明と討論深めたい論点

 3日、12月市議会定例会が18日までの16日間の会期で始まりました。総額3億9900万円のH20年度一般会計補正予算案をはじめ、市議会の政務調査費交付額の見直しに伴う条例改正案、合併地区にデマンド方式の運送サービスを導入する市営バス設置条例改正案やマンションなどの中高建築物の建築に関して紛争の調整を定める条例案、指定管理者制度に関する条例改正案など70議案が市側から提案されました。

市長、7年間を中間総括

 2期目の任期をあと1年残す鷲澤市長は、7年間を中間総括しながら、道筋や一定の成果が表れてきている施策として「財政の健全化に向けた財政構造改革」「賑わいが戻りつつある中心市街地」「多軸型観光の原点となった『エコール・ド・松代』「PFIや指定管理者制度導入による民間活力の導入」「下水道事業や駅周辺第二土地区画整理事業」「1町3村との合併」をあげるとともに、道半ばや一朝一夕には解決策が見いだせない施策として「都市内分権」「コンパクトシティの実現」「スポーツ振興」「耐震対策」「ものづくりと観光立市」「公共交通の再生」「子育ち・子育て支援」をあげました。

「雇用と社会保障への安心」に応えられる市政を

 市長から見れば、こういうことなのでしょう。別に異論はありませんが、「成果」としてあげた施策からも財政構造改革による新たな市民負担の増大、民間活力導入における地元事業者の活性化など「新たな課題」が生まれてきていることに私としては着目したいし、今、市民に必須の「雇用と社会保障への安心」にどれだけ市政は応えられているのか、市民の満足度・充足度、さらには「幸せ度」がどれだけ増したのか、という観点から総括したいと考えます。

「突破力」とは?

 さらに市長は「市政は総合的であり、すべてが大切だが、投資力にも限界がある今、将来を見据えた『選択と集中』による施策の展開も必要。重点的に取り組んでいく施策に対しては、従来の手法や考え方だけではなく、新たな発想や独創性を持ち、将来を見通した決断力によって突破していく力、つまり『ブレークスルーする力』を、これまで以上に発揮していかなければならない」とも述べました。一般論として異論はないのですが、「突破力」を強調するあまり、市民にとって強烈なトップダウンとならないようチェックが必要だなと思いながら聞きました。

地域経済の疲弊、雇用情勢の悪化に言及

 「世界金融恐慌の危機が、実体経済へと波及し、有効求人倍率の低下や非正規労働者の雇用調整、内定取り消しの報道など雇用情勢が悪化、地域経済の疲弊が懸念される」とし、政府の経済対策は「中途半端な規模ではなく、思い切って最大限の規模にすべき」としました。ここまでは良かったのですが、「今回の政府の取り組み姿勢を高く評価したい」で消沈です。

何故なら、実行力の伴わない政権施策にはそもそも期待できないし、財源をめぐって「消費税増税」を見込んでいるからです。暮らしに安心をもたらすどころか、暮らしを不安のるつぼに陥れる危険性をもっているからです。政府からは月々と雇用対策が打ち出されていますが、財源措置に着目し、実効性を検証しなければなりません。

H21年度予算編成「一般財源額は相当規模減少」

 今年度上半期では、法人市民税が前年比で7.2%、3億6千万円の減少と、景気後退の波が影響を及ぼし始め、来年度はますます厳しくなる見通しを示し、標記の表現になりました。何処の自治体も同じ状況ですから、新交付税を含め地方交付税の増額を市長会をあげて求めていく必要があります。

12月議会の論点

 まずは、議員に関わる課題としては政務調査費の条例です。市議会ではすったもんだした上で1カ月1万2千円減の8万5千円でまとめたものの、特別職報酬等審議会からは7千円減の9万円で答申された問題です。「もっと議員は勉強しろ」との審議会の意見は大切にしたいと思う反面、議会の議論は何だったのかという割り切れなさも残ります。議会の意思と答申の差額5千円の活用方について議会として工夫できないのか、市議会全体での政策の調査研究活動に資することはできないのか、この議会の中で詰める必要があります。市民の皆さんにとって「議員に必要な調査費」であることを広く認知してもらえる取り組みが必要です。

 市政全般に関して私としては、次の点について討論・審議が深まることを期待しています。

  ?派遣切りや内定取り消しなど、市としての雇用対策の強化、就労支援策

  ?市立公民館への指定管理者制度導入

  ?都市内分権、一括交付金など新たな財政支援制度の在り方と選択事務の在り方
  ?行政サービス利用者負担の見直しの今後

  ?地域公共交通の再生・活性化と財源措置

  ?市民病院の在り方

  ?生活給付金の問題と活用、必要な市民に行き渡るのか/母子世帯や生活保護
   受給世帯への新たな支援策

  ?信州新町・中条村の編入合併の課題

  ?耕作放棄地の調査結果を踏まえた解消策
  ?消防と救急の兼務

このページのトップへページトップへ