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08年10月20日
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利用者負担の見直し、過度な値上げに反対(9月議会の質疑から・その3)
《基準による試算では》
少年科学センター     250円⇒305円
茶臼山動物園 500円⇒830円
市民プール 子ども100円⇒500円     
胃がん検診 900円⇒2070円
こんな値上げに耐えられますか?
教育や福祉分野、126のサービスで値上げ検討

 今、市行政では、例外なく施設利用や福祉サービスの利用者負担の見直しを進めています。7月には、事業の公益度と私益度、事業実施の義務度という二つの物差しで作成した「行政サービスの利用者の負担に関する基準」(以下、「負担に関する基準」)に基づき、市民の負担額の試算を発表。これによると、対象とした146事業のうち、施設利用料や集団検診など86%にあたる126の事業で、市民負担額が現行の額を上回ることになっています。つまり、利用料・使用料の値上げに進むというものです。

 試算では、上記表のように少年科学センター1.2倍、250円が305円に。茶臼山動物園1.7倍、500円が830円に。博物館4.7倍、300円が1400円に。市民プール(城山・安茂里など)5.07倍、子ども100円が500円。胃がん検診2.3倍、900円が2070円に。がん検診は軒並み1倍以上に。大変な負担増となる試算結果です。11月中には各担当部署で原案をまとめ、早ければ12月議会で値上げの条例改定案が提案されてくることに…。
 医療や年金の負担増、そして税金が重くのしかかる中で、市民の暮らし向きを注視し、温かい市民サービスの提供こそが求められます。皆さんのご意見をお寄せください。
値上げありきにしない。倍率1倍以下は値下げを

 市長はすでに「基準を機械的に当てはめることはしない」と言明していますが、基準が一人歩きしてしまうことへの懸念は拭えません。「値上げありき」にならないよう各部署徹底するよう強く求めました。
 試算の中には、負担率が現行に比べ1倍未満のものもあります。前立腺がん検診は0.6倍、市営駐車場は0.3~0.9倍といった具合です。「倍率1倍以下のサービスは値下げすべき」との質問を用意しましたが、時間で省かざるを得ませんでした。行政改革推進局長に確認したところ、「基本的には基準に基づき値下げすべきだが、1倍以下となった原因をサービスごとに検証し
た上で判断したい」としています。駐車場のように民業を圧迫する問題もあり個別判断が必要ということのようです。今後、しっかり確認していきたいと思います。

市民の必要度・満足度を考慮すべき

 また、市長は「政策的配慮が必要」としている点について、市民にとっての必須度、満足度といった市民が納得できる基準を作り具体的な検証を図るべきとも提案しましたが、「新たに基準は困難、政策的配慮が妥当となるよう十分精査する」との答弁にとどまりました。

市…「使用料はパブリックコメントの対象外」と市民の声聞かず

 問題は、今後具体化する使用料の値上げについて、市民の声を聞くべきとしたことについて、市当局は「使用料について意見を求めても、ほとんど値下げを求める意見になることが想定され、多様な意見を政策に反映するという制度の趣旨になじまない。ゆえにパブコメの対象外だ」としたことです。値上げの基準作りでは市民の声を聞きながら(抽象的すぎて2件の意見しかなかったもの)、値上げの具体案については意見を求めないというのは、一貫していません。
値上げ具体案に市民の意見を
 そもそも、負担の基準のパブリックコメントで、なぜ市民の声が少なかったのかが反省されていません。市長ですら「パブコメのやり方が間違っている」と指摘している問題です。まちづくり提案制度とされるパブリックコメントは、市民参加型の開かれた透明性の高い市政運営のための道具です。そのためにはわかりやすい具体の内容で意見を求めることが肝心です。既に形骸化しているといわざるを得ない「まちづくり提案制度」の抜本的な見直しも必要です。
 昨年の成人学校受講料値上げのような「机上の論理」での値上げの繰り返しにならないよう、厳しく監視するとともに、市民アンケートや公聴会など、市民の声の反映方法を確立するために取り組みたいと思います。


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