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08年7月23日記
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原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会に1万5千人

神奈川県の基地反対運動に連帯して、長野県から70人が代表参加

 7月19日、横須賀市で開かれた「原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会」に長野県代表団の一員として参加してきました。全国47都道府県すべてから1万5千人の代表が結集、会場となった米海軍横須賀基地に隣接する「ヴェルニー公園」は、入りきれない状況で騒然としていました。全国行動は久々の参加です。

 これまで横須賀基地を母港としていた通常動力空母キティホークが退役することに伴い、交代空母として配備が合意した原子力空母ジョージ・ワシントンの横須賀入港は、当初19日当日に予定されていましたが、艦内火災のため9月に延期される中での全国集会となりました。長野県からは県原水禁・県護憲連合として70人の代表団が参加しました。

安全求める横須賀市民の2回に及ぶ直接請求が否決

 原子力空母の横須賀母港化に対しては、①米軍再編の一環であり、東北アジアの政治的安定を揺るがす行為であること、②なんの安全基準もなしに原子炉を動力とする空母を恒久的に母港とすることは、首都圏住民の安全を脅かすこと、③施設管理権を米側が握る不平等な「日米地位協定」の中では、立ち入りの安全審査など住民生活の安全を保障する自治体の責務を全うできないことなどの観点から、反対運動が取り組まれてきています。

 横須賀市で3月6日から取り組まれた「原子力空母母港化の是非と安全性を問う住民投票条例」の直接請求のための署名行動は、1回目の直接請求を1万筆以上も上回る52,438筆の署名が集まりました。蒲谷横須賀市長は、5月12日に行われた人事案件に関する臨時議会に、条例制定への反対意見を付して市民が請求した「住民投票条例案」を議会に提出しました。しかし5月16日、横須賀市議会は住民投票条例案を賛成8、反対33、棄権1で不採択としました。住民投票は地方自治における市民主権の根幹をなすものであり、市民の想いを簡単にはねのけた市長・市議会のあり方が問われます。一方で市議会は「原子力空母の配備に対し多数の市民が危惧していることの証左として、署名の重みは市議会として真摯に受け止める」として「米空母の後退配備に伴う諸問題に対し、横須賀市民の安全・安心を求める意見書」を全会一致で採択し、原子力空母の安全性確保及び防災体制の強化や事故・事件発生時における迅速な情報公開及び事後における報告の徹底などを国に求めていくとしました。

     
    【写真は集会の様子・左と米海軍横須賀基地ゲート前での長野代表団のシュプレヒコール・右】
原子力空母配備の危険性
■イラク攻撃の主力となった米軍横須賀部隊、戦争の出撃基地に

 横須賀を母港としていた米海軍第7の空母キティホークは、イラク戦争に出撃、この空母艦載機が最も多くの空爆攻撃を行ったとされ、問題のクラスター爆弾も多く使われました。横須賀基地への原子力空母の配備は、アメリカが勝手に起こす戦争への出撃拠点として強化されることになります。

■地上の原発よりも危険な「海に浮かぶ原発」

 原子力空母ジョージ・ワシントンは、熱出力60万kwの原子炉を2つ積み込んでいます。しかし、日本の原発の安全基準すら満たしているかどうかが、軍事機密のために「闇の中」。船の中で絶えず振動・衝撃にさらされ、事故や戦闘による原子炉破壊の危険性をはらんでいます。

■事故が起きれば犠牲者120万人

 NGOの「原子力資料情報室」は、原子力空母が横須賀基地に停泊中、または東京湾内を航行中に、メルトダウン(炉心が暴走する大事故)を起こした場合の被害想定を発表。被害は関東一円に広がり、被爆から約10年で120万~160万人ががんで死亡するとしました。大きな原子力災害を招く原子力空母の出現は、横須賀に”原発”を設置することと同じで、安全のための十分な離隔をとれず、不可能なことと結論付けています。

ヒロシマ・ナガサキの悲劇を繰り返さないために
 武力で平和は創れません!63回目の「ヒロシマ・ナガサキ」を目前に、唯一の戦争被爆国・日本の国民として、悲劇と惨劇を繰り返さないために声を大にしたい!「原子力空母はいらない!」と。

集会アピール

 日米両政府は、市民の合意なく「原子力空母ジョージ・ワシントン」の横須賀配備を決定しました。

 私たちは、原子力空母の横須賀配備が、米軍再編・米軍基地の戦力増強の一環であり、東北アジアの平和を大きく妨げる要因となること、また積載する原子炉の安全性に対して納得できる説明がなく、いったん事故が起きれば首都圏住民の大きな被害が予想されることなどから、「原子力空母の横須賀母港化」に強く反対します。

 「原子力空母・母港化の是非を問え」との市民の声を、2度とも受け入れなかった横須賀市議会でさえ、国に対して「米空母の交代配備に伴う諸問題に対し横須賀市民の安全・安心を求める意見書」を提出しています。原子炉を動力とする空母の安全性については、多くの疑問の声が上がっています。横須賀市も国も、市民の声に耳を傾けず、米国政府の言いなりに、安全性の確立しない原子力空母を押し付けようとしています。日本政府も横須賀市も、市民の生活に安全に対する責任を放棄したといえます。毎年2,000億円以上もの思いやり予算を払って、なお、私たちは危険な原子力空母と生活を共にしなければならないのでしょうか。私たちは、原子力空母の母港化を決して許しません。

 沖縄や山口、神奈川など基地がおかれている全国の自治体で、米国兵士による協副犯罪が繰り返されています。綱紀粛正・再発防止の声を何度聞いたことでしょう。米軍基地が地域住民の安全と平穏な生活を脅かすものとなっています。不平等な日米地位協定は、施設内への日本側の立ち入りを許さず、原子力空母の安全審査さえ拒むものとなっています。日米地位協定の抜本的改正に大きな声をあげようではありませんか。

 今日の集会に参加した私たちの思いを、全国の平和を愛する心と力につないで、原子力空母の母港化の撤回と日米地位協定の抜本的改正を、そして米軍基地縮小・撤去を勝ち取ろうではありませんか。それぞれの場所で、それぞれの全力を尽くして、多くの仲間と平和の流れを創りだそうではありませんか。

  2008年7月19日

原子力空母の横須賀母港化を許さない全国集会


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