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08年5月20日
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市民の生活の足を守るアクション第1弾…川バスと長野市に要望申し入れ

 アルピコグループの事業再建を受けて、成り行きが懸念される川バスの生活路線バス…。松本電鉄に続いて、川バスも不採算路線の見直しを長野市に提示する動きとなることから、市民の生活の足を守るために、5月12日には川中島バスの青柳正博社長に対し、また翌13日には長野市長あてにそれぞれ要望申し入れを行いました。申し入れたのは、長野地区公共交通対策会議(代表委員=竹内久幸県議・神山勝地区労組会議議長)。川バス・長電バスなど市内バス事業に携わる労働組合、長野地区労組会議の皆さんと共同して立ち上げたもので、私も議員の立場でメンバーに加わっています。

川中島バス・青柳正博社長に要望書提出

 対策会議=生活路線の維持確保を、従業員の雇用維持を

 川中島バス=むやみやたらに廃止はしない、長野市や沿線住民と強調して対応する

       
 12日、対応した青柳社長は、「不採算路線の一部廃止を含めて、路線の見直しは避けられない。近くまとまる08年3月期決算を踏まえ、各路線の採算状況を検証したうえで、見直し案をまとめ、長野市と現状認識を共有しながら対応を協議していきたい」意向を表明するとともに、「むやみやたらに不採算路線を廃止するつもりはないが、現状のまま2年、5年かけてやっていくほどの体力はない」とも述べ、バス事業者として市民の生活の足を守るためにギリギリの努力をしたい決意も伺えました。

 川バスが直営で運行する一般生活路線は長野市内で34路線・98系統、路線バスの利用者が年間5%から10%減少する中、4割近くが不採算路線となっています。また燃料となる軽油高騰のあおりも受け「このままでは企業経営が維持できない状況」とし全般的な運賃値上げも検討課題としました。


2008年5月12日

川中島バス株式会社

 代表取締役 青 柳 正 博 様

長野地区公共交通対策会議

                      代表委員 竹 内 久 幸

                      代表委員 神 山   勝

川中島バスの事業再生にあたっての要望書

 

 日頃から、地域公共交通の維持に尽力・貢献されていることに感謝申し上げます。

 さて、貴社を含むアルピコグループ19社は、金融機関の支援による「私的整理に関するガイドライン」に沿って、事業再生をスタートさせました。金融機関に同意された事業再生計画では、交通事業を主要事業の一つと位置づけるとともに、バス会社を統合して不採算路線等を見直すとされています。過日、松本電鉄が松本市に提示した見直し案では、6路線を全部または一部廃止、6路線を減便、路線変更するとされ、市民の足が守られるのかとの切実な問題が一挙に現実味を帯びてきております。

 バス交通事業を柱とする川中島バスにあっては、長野市民の欠かせない生活の足として、長く市民から親しまれ、必要とされてきました。マイカーの普及等によるバス利用者の激減が会社経営を困難にしている厳しい現実は理解できるものの、バス公共交通は、市民にとって、とりわけ高齢者や障がい者、車を持たない学生など交通弱者にとって、欠かせない移動手段です。だからこそ、バス事業者には安易に公共交通から撤退することなく社会的な責任を担い続けてもらいたいと強く願うものです。

同時に、地域経済に大きな影響を及ぼす雇用の維持確保、賃金・労働条件等の維持についても、これまでの労使合意を基本に、最大限の努力をされるよう願うものです。

私たち自身、地球温暖化防止の取り組みをはじめ、公共交通の維持・活性化にあたっては、事業者・行政任せではなく、一人ひとりの自覚と行動が求められているとも考えています。

こうした観点から、下記について要望するとともに、誠実に事業再生に取り組まれるようお願いする次第です。

一.長野市内のバス事業者と連携し、かつ長野市行政とも連携し、長野市民の生活の足を守り維持してください。

一.従業員の生活、地域経済に与える影響等に鑑み、事業再生において、雇用の維持確保、賃金・労働条件の維持に、最大限の努力をしてください。

以  上


長野市長あて、企画政策部長等に要望書
 長野市=バス交通は市民生活に欠かせない、協同で公共交通守る

 13日には、長野市を訪れ、鷲澤市長あての要望書を丸山文昭企画政策部長に提出しました。

 市側は「バス交通は市民生活に欠くことのできないもの。川バスの見直し案の内容を十分に聞いたうえで協議していきたい」としました。

 また、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律を基づく法定協議会を早期に立ち上げ、バス事業者と住民、行政が一体となって公共交通のあり方を考え、新しい交通システムを作っていきたい」(丸山・企画政策部長)とも応えました。ただし、「ある程度の方向性が見えないと、法定協議会の在り方も見えてこない」(市川・交通政策課長)とし、設立時期や具体的な事業に異様については、バス事業者との協議を踏まえながら検討する考えを示しました。

 *地域公共交通の活性化及び再生に関する法律
 地域公共交通の維持・活性化を図るため、総合的な交通計画づくりと具体的な事業を国が支援する法律で、自治体ごとにつくる「法定協議会」がその受け皿となる仕組みだ。計画作りには1000万円、コミュニティバスや乗り合いタクシーの導入、路線バスの活性化などを目的に実証運行する事業などに国が2分の1を補助する制度を用意している。


2008年5月13日

長野市長 鷲 澤 正 一 様

長野地区公共交通対策会議

                      代表委員 竹 内 久 幸

                      代表委員 神 山   勝

市民の生活の足を守るための要望書

 

 日頃から、地域公共交通を都市インフラと位置づけ、市民の生活の足を守るためバス公共交通の維持・活性化に尽力されていることに感謝申し上げます。

 さて、川中島バス株式会社を含むアルピコグループの事業再生、信南交通の生活路線バス直営からの撤退表明と、バス交通事業を取り巻く厳しさが一挙に表面化し、「公共交通は大丈夫なのか」との不安が市民の間に広がっています。

アルピコグループにおいて金融機関に同意された事業再生計画では、交通事業を主要事業の一つと位置づけるとともに、バス会社を統合して不採算路線等を見直すとされています。過日、松本電鉄が松本市に提示した見直し案では、6路線を全部または一部廃止、6路線を減便、路線変更するとし、市民の足が守られるのかとの切実な問題が一層、現実味を帯びてきております。

 マイカーの普及等によるバス利用者の激減がバス事業者の経営を困難にしている厳しい現実は理解できるものの、バス公共交通は、市民にとって、とりわけ高齢者や障がい者、車を持たない学生など交通弱者にとって欠かせない移動手段です。だからこそ、バス事業者には安易に公共交通から撤退することなく社会的な責任を担い続けてもらいたいと強く願うと同時に、バス事業者と連携した行政の関わり、生活の足を守るための支援が不可欠となっています。

また、私たち自身、地球温暖化防止の取り組みをはじめ、マイカー依存から脱却していく、一人ひとりの自覚と行動が求められているとも考えています。

こうした観点から、下記について強く要望するとともに、早急に公共交通の維持活性化策を具体化されるようお願いする次第です。

一.バス公共交通の維持・活性化をまちづくりの基本に据え、長野市内のバス事業者と連携し、長野市民の生活の足を守り維持されること。

一.川中島バスの事業再生において、地域経済への影響を考慮し、従業員の生活の安定、雇用確保が図られるよう働きかけられること。

一.「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく「法定協議会」を早期に立ち上げ、総合連携計画の策定、再生統合事業の具体化を急がれること。

一.「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づく、財政負担割合・地元「協議会」で2分の1負担のあり方について、県行政の積極的な関与、財政支援を県に対し働きかけられること。

一.マイカー依存から脱却し、公共交通利用促進を具体化するための施策を早急に確立し具体化を図られること。

以  上

 


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