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松本市に先を越された「9月22日カーフリーデー」、長野市でも具体化を! |
1月7日信濃毎日新聞一面トップの記事「松本『脱クルマ』先進地に…国内初『カーフリーデー正式参加へ』」を見て「松本に先を越された!残念!」と率直に思いました。下段が記事。
地球温暖化防止に向けて世界的に取り組まれている「9.22カーフリーデー」は、私自身、昨年来温めてきた政策課題の一つで、この1月4日にアルピコ㈱の瀧澤社長や川中島バス㈱の専務らと鷲沢市長に新年のあいさつに出かけた折にも、私から市長に「国際的なカーフリーデーとなっている9月22日、長野市で先進的な取り組みを具体化させましょう。3月議会で具体化を取り上げますよ」と提案したばかりだったからです。
松本市で取り組まれている「ノーマイカーデー推進市民会議」の動きには注目していたのですが、カーフリーデー正式参加にまで及ぶとは考えていませんでした。チェックが足りませんでした。長野市の交通政策課の皆さんはチェック済みだとは思いますが、意見交換の不足を反省しているところです。事務局サイドでは長野市でも検討しているかもしれません。
いずれにせよ、この際、松本市には頑張って良い先例を作ってもらい、松本市を越える県都・長野市での取り組みを実現したいものです。
■「カーフリーデー」とは?
地球温暖化防止などを目的に、都市における自動車の利用と、それを通じた都市生活のあり方を見直すことを呼びかけているもので、欧州では、9月22日を「カー・フリー・デー」と定め、「街中では、マイカーなしで(In
town, without my car!)」をキャッチフレーズに、マイカーの入れない地区(カー・フリー・エリア)を設けたり、公共交通機関の利用促進等により、車に頼らない生活を市民に体験してもらう様々な催しを実施するイベントであり、また社会実験的な取り組みとしても位置づけられています。
1997年、フランス北西部の小都市ラ・ロッシェルでの「車のない日」が発端となって始まったもので、98年にはフランス国土整備・環境省が国の事業として実施、2000年からはEU(欧州委員会)の環境プロジェクトの一環に位置づけられ、2006年には世界36の国や地域で1311の都市が参加または賛同する世界的イベントとなっています。日本からは松本・横浜・名古屋の3都市が賛同都市として参加しています。
また、EUでは2002年から、カーフリーデーをさらに発展させ、9月16日から22日を「モビリティウィーク」に設定し、カーフリーデーを含む様々な取り組みがなされ、広く市民に受け入れられているといいます。
日本での類似の取り組みとして、自動車利用の自粛を呼びかける「ノーマイカーデー」という取り組みがありますが、カーフリーデーでは区域内の自動車交通を完全規制して“車のない生活”の体感を重視する点で概念的に異なるともされています。考え方は確かに違いますが、国内では「ノーマイカーデー」の方がわかりやすいと思います。
松本市の今回の決定は、この世界的イベントに正式参加都市として登録し運動を展開するもので、国内初となります。
正式参加するには、市街地の一定区域をマイカー乗り入れ禁止区域に定めること、公共交通などの利用促進など新たな交通施策を事前に実施すること、区域外にマイカーを止める駐車場を設けることなど7項目の条件が決められています。
国内の賛同都市がマイカー自粛の啓発運動に比重をおいて取り組まざるを得ないのは、「マイカー乗り入れ禁止区域の設定」条件にあります。いざ具体化となるとハードルの高い条件です。
*参考サイト
国土交通省のカーフリーデーのページ
ヨーロッパカーフリーデー日本公式サイト
松本市「ノーマイカーデー推進市民会議のページ
■県都・長野市もカーフリーデーに参加を
市民何人も移動する権利を保持しています。私はこの間、移動する権利を具体的に保障する手立てとして、公共交通網は市民の活動の基礎であり、市民が安全で円滑で快適に交通施設及び輸送サービスを利用できるよう市民・利用者の立場に立って交通政策を推進していく必要があると訴えてきました。また国のまちづくり3法の見直しを踏まえ「歩いて暮らせるまちづくり・コンパクトタウンを」とも提言してきました。
これらのことと合わせて、マイカーの利用抑制についても提案してきました。公共交通機関の利用度を高め、よって市民の利便性を高めていくためには、マイカー利用の抑制・規制に踏み込む必要があるからです。このことは、今日、二酸化炭素の排出の抑制、地球温暖化防止といった観点からも、強く求められる課題となっています。市民の皆さんには、不自由さを我慢してもらうことになりますが…。
具体的には、混雑時・イベント時において採用されているシャトルバス運行による「パークアンドライド」方式を拡大すること、渋滞緩和策として全国に先駆けてスタートした「さわやか通勤運動事業」を、今度はマイカー利用抑制の点から位置付け直し、市民はもちろん、企業体の理解と協力を求めながら、例えば「公共交通機関を利用する日」を定め具体化することなど、積極的に検討すべきと提言してきました。
市長や交通政策課では、「前向きに検討したい」としてきましたが、具体的な施策展開にはいたっていません。
地球温暖化防止に向けた国際的な取り決め「京都議定書」の採択から10年目の今年、地球温暖化防止を入り口とした「長野市版カーフリーデー」の実現を具体的に提案していきたいと思います。
■長野市で具体化するにあたっての課題
具体化にあたっての検討課題を、思いつくままあげてみます。私自身、もっと研究し、市の担当者の皆さんに具体的なボールを投げていきたいと思います。
①中心市街地のマイカー乗り入れ禁止区域をどのように設定するか
*一番の問題です。善光寺周辺に限定するか、あるいは中心市街地区域に
設定される長野駅から善光寺一帯とするか、自分なりに研究してみます。
*駅周辺または中央通りをメインストリートとする中央通り商店街一帯を考え
れば、市民の皆さんはもとより商店街の皆さんの理解と協力が不可欠です。
②パークアンドライドとなるマイカー駐車場の設定
*トイーゴ駐車場をどのように位置づけられるか
*将来的な課題ですが、閉校を予定する「後町小学校跡地」をイベント時にお
けるパークアンドライドの拠点にすることも要検討だと思います。
③中央通りのトランジットモール化
*トランジットモールとは中心市街地のメインストリートで一般車両を制限し、
道路を歩行者。自転車とバスや路面電車などの公共高騰期間に開放して、
まちの賑わいを創ろうとする施策。市では検討を始めていますが、カーフリー
デーを核とした施策として位置づけ直すことを検討していいでしょう。
④善光寺北側に位置する善光寺駐車場のあり方の再検討
*善光寺参り…「裏から入って裏から帰る」今の人通りにはかつてから疑問の
声が上がっています。やっぱり善光寺参りは「山門をくぐってから」ではないで
しょうか。善光寺参りは「長野駅から、あるいは新田町・大門町から仲見世・
山門を通ってのお参り」にしたいものです。観光都市が泣いちゃいます。
⑥県が策定した「長野県地球温暖化対策条例」の先取り具体化
⑦市の地球温暖防止施策への位置づけと長野市環境基本計画後期計画との整合性の研究
⑧ボランティア団体・NASL環境フォーラムが進める「みどりの自転車」の取り組みとの連携と拡大
羅列しましたが、皆さんの知恵をかしてください。
■参考「ノーマイカーデー」(EICネット環境用語集より)
特定の日にちや曜日を決めて自動車の利用を自粛するキャンペーンないしはキャッチフレーズ。自動車交通量の総量を規制する方策のひとつとして、渋滞の緩和や大気汚染など、自動車による弊害の抑制を期待して実施されている。日本では、1971年に八王子市が毎週水曜日に、自動車利用を自粛するよう呼びかけたのが最初。2004年現在、行政機関を中心に民間企業等、多くの事業所で取り組まれている。一方で、取り組み参加に向けた呼びかけに留まっている場合が多いことが課題とされ、効果的な取り組み実施のためには、罰則等の規制を導入する必要があるなどの指摘もされる。
類似の取り組みとして、カーフリーデーがあるが、カーフリーデーが区域内の自動車交通を完全規制するなどして都市における“車のない生活”の体感を重視する一方、ノーカーデーは取り組みへの参加が個人の意思・状況に左右され、呼びかけだけに留まる傾向も強い点で、概念的に区別される。
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