●都市内分権元年、住民自治協議会作りをスタート
■立ち上げ支援に補助金
去る1月の都市内分権審議会の答申を受け、市長はH18年を「都市内分権元年」と位置づけ、新しい住民自治組織となる「住民自治協議会」を30支所単位にこれから4年間で発足させていく方針を打ち出しました。また、「住民自治協議会」で取り組むべき喫緊の課題は地域福祉の推進や自主防災・防犯体制の整備にあるとし、「都市内分権推進計画」を策定し、あわせて「住民自治協議会」の設立や活動に関する手引書・マニュアルを作成し、広く市民の関心と協力を呼び起こしていきたいとしました。各地区における設立準備会の立ち上げを支援するため補助制度(註*)をスタートさせることを新年度予算に盛り込みました。
■「市民が主役」が生きているか!…行政主体のマニュアルに疑問あり
この議会で私は、都市内分権の具体化にあたり、住民自治協議会立ち上げのマニュアルは、行政中心の官製のマニュアルではなく、マニュアルそのものをワーク・ショップを活用し、市民が主体となり市民参加で作っていくことを提案しました。都市内分権の意義が残念ながらまだまだ市民一人ひとりのものになっていない今日、すべてを市民参加、手作りで進めていくことが本当の自治をはぐくんでいくことになると考えたからです。市長は「マニュアルはあくまでもたたき台」「市民参加によるワークショップの活用は地区のまちづくり計画を作成していく上で大切な手段であり、マニュアルにもワークショップの活用を掲載していきたい」としました。私としては、住民自治組織を新たに作る「たたき台」だからこそ、行政=上からの提示ではなく、地域住民=下から積み上げて作っていくことが大切だといいたかったのですが…。
行政は大変手際がよくて(?)、この議会中の20日には「都市内分権推進計画(案)」と「マニュアル(原案)」が示されました。「素案」であること、適宜「改定」していくことを強調していましたが、いったんペーパーになると、議論はあっても、これをベースにした取り組みになりがちです。「市民とともに歩む新たなまちづくりをめざして」を副題とするマニュアルは、93ページと結構ボリュームのあるマニュアルです。「市民とともに歩む」という副題そのものが「市民が主体」ではなく「行政が主体」の発想と感じるのは私だけでしょうか。せめて「市民がともにつくる新たなまちづくりをめざして」とならなかったのでしょうか。ワークショップのプロセスをたどると、例えば「私たちが考えつくり支えるまちづくり…市民参画マニュアル」といった副題になるのではないでしょうか。
■とにかく動き出す都市内分権、市民の共同作業で「形」に
まだ、推進計画やマニュアルの全文を吟味していません。改めて所感を述べたいと思います。とにかく、都市内分権は動き出します。まずは安茂里の中で、住民の皆さんとの共同作業で「形」にしていきたいと考えます。
*「住民自治組織設立支援補助金」
市内30地区単位の準備会に対し、会議の開催に関する経費と地区住民に対する広報に要する経費を補助するもの。補助金額は均等割り分=1準備会に2万円と世帯割り分=1世帯17円×H17年1月1日現在の世帯数の合計額となります。因みに安茂里地区では17万1千円です。
|