9月議会では、深刻化するアスベスト被害への対策の早急な取り組みを求めました。その後の状況も含め報告します。(その1)とあわせてご覧ください。
■国の基準を上回る厳しい対策を
9月議会でただした点は、アスベスト調査について対象を96年以前に建てられた施設にまで早期に拡大し実施すること、アスベスト含有量について国の1%ではなく、国連基準の0.1%とし独自の長野基準で調査すること、アスベストの含有調査に民間機関で2ヶ月かかることから市保健所に検査機器を導入し速やかな検査体制を構築すること、市民相談窓口を「アスベスト110番」でまとめ対応することなどの4点です。
■77施設で使用確認、白石綿、青石綿が検出
市では問題が改めて発覚した7月以降、相談窓口や「Q&A」の開設をはじめ、突貫作業で調査・除去対策に取り組んでいます。8月段階では1955年から80年までに建てられた395の施設を調査し、内77施設で吹き付けアスベストを確認、使用頻度が高い場所で露出している9施設(市役所第1庁舎の通路や古牧小学校や鬼無里小学校など)でアスベストの除去や飛散防止策を講じました。その後、アスベストの含有調査で新たに綿内小学校水槽室や鬼無里公民館倉庫、飯綱浄水場機械室など5施設が確認され、施設の閉鎖・立ち入り制限措置を講じ、12月議会の補正予算可決後に除去工事を実施するとしています。鬼無里公民館で最も危険とされる青石綿の使用(含有率4.1%)が判明したことはショックです。
■給食調理機器にも使用
11月には保育園や給食センターの調理機器のアスベスト使用調査結果が公表され、12施設14の機器の断熱材に使用が判明しましたが、「いずれも飛散の危険性が無いことが確認された」としています。保育園では食器消毒保管庫や回転釜、第一学校給食センターでは揚げ物機と焼き物機などです。全国的にも数多く使用確認されており、機器の交換が取り組まれています。「飛散の可能性が無いからそのまま」では安全とはいえません。子どもたちの食べ物を作る施設だけに機器の速やかな交換を求めていきます。
■大気中濃度の検査機器を導入
市保健所では早速に検討し、大気中の濃度を測定する機器を導入し11月から検査可能となる体制をつくることを約束しました。しかし、建材中に含まれる濃度を測定する機器は高価なことや密閉室を必要とすることなどから困難としました。
■学校パニック時の調査は十分だったのか、教訓活かす取り組みへ
1986年の学校パニックのときにも調査が行われましたが、国の調査基準が極めて不十分だったことが既に明らかになっています。行政の怠慢に他なりません。市はどうだったのかを正しましたが、「国の指導に基づいて適切な対応をした」というだけ、あれだけ大きな社会問題となったにもかかわらず、「国の指導」だけに甘んじ、市独自に問題と対応策を掘り下げられなかった事実は重大です。市は今回、「疑わしきものについてはすべて詳細に拾い出し、分析し使用の有無を特定、万全の対策を講じる」と答弁。学校パニック時の教訓を活かしてもらいたいと切実に思いますし、継続したチェックが欠かせない問題です。
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