東日本大震災、福島第一原発事故から3年です。
市議会では、午後2時46分、子育ち・子育て対策特別委員会を中断して全員で黙とうをささげました。
「復興を実感できる1年にする」との安倍首相の言葉は、未だに約26万7千人の住民が故郷を離れ避難生活を強いられている現実を前にすると虚ろにしか響きません。
仮設住宅には約10万4千世帯が暮らし、岩手、宮城、福島の3県のプレハブ仮設住宅の入居率は約84%に上るといいます。同時期の入居率が50%台だった阪神大震災と比べて、暮らしの再建の遅れが際立っている現実が浮かび上がります。
「復興の加速化」も安倍首相の言葉です。しかし、加速化が目立つのは防潮堤など巨額を投じる公共事業ばかりではないのでしょうか。
農地に復活できもしない元農地を守るための防潮堤の建設、営農継続の見込みもないまま地盤沈下で3年間も海水に浸されているかつての優良農地の回復など、硬直化した復興策に、地元被災住民の声が届いているのでしょうか。
被災地・被災住民にとっての復興にこそ、耳を傾け見直すべきは見直す政治の営みが求められます。
そして「コントロール下にある」とされる福島第一原発です。今なお、収束の目途が立たないばかりか、ストロンチウムやセシウムが検出された高濃度汚染水の流出が続いています。
原子力規制委員会は原発の再稼働審査に没頭し、汚染水に絡む測定も対策も東電に実質丸投げしたまま。新規制基準には汚染水漏れ事故の想定も対策も含まれていません。
再稼働優先の態勢を見直し、汚染水処理や使用済み核燃料プールからの燃料集合体取り出し作業の対策などに力を注ぐことこそ、3年目の急務にしなければなりません。
9日の午前中、南千歳公園で「つながろうフクシマ!広げよう脱原発!」をアピールする3周年集会が実行委員会の主催で開かれました。
福島県から松本市内に避難し、子どもたちの避難・保養に取り組む「手をつなぐ3.11信州」代表の森永敦子さんは「福島では76人の子どもに甲状腺がんが発症している。しかし報道されることはなく、子育て世代のお母さん、お父さんは不安な毎日を強いられている。避難しても2重生活が続く。これでいいはずがない」と訴えました。
放射能汚染から子どもたちを守る、これも復興における不可欠な課題です。