6日夜、特定秘密保護法案は院内外の怒号の中、民意に背を向ける国会議員の多数により強行可決されました。もの言えぬ社会、戦争にまっしぐらの社会をつくる特定秘密保護法を、「秘密ありき」、「制定ありき」で強行した、数の力の横暴に対し、怒りを込めて抗議するものです。
特定の情報を政府が恣意的に秘密指定でき、国民には何が特定秘密なのかすら明らかにされない法案の本質は、「良識の府」とされる参院審議を通じても何ら是正されることはありませんでした。
「テロ防止」、「スパイ防止」の名目で、表現の自由を侵害するにとどまらず、秘密を扱う公務員への「適正評価」に象徴されるように、徹底的に個人のプライバシーが監視される人権侵害法にほかなりません。
12月6日は、現代版「翼賛政治」の下で、民主主義を死滅させる法律が強行された日として、歴史に刻み込まれます。
施行日は1年後です。法の廃止に向けて、なお声を上げ続けたいと思います。
市議会に長野地区護憲連合から「特定秘密保護法に反対する請願」が提出されています。審査は11日の総務委員会となります。法が強行可決されたとはいえ、法が内包する危険な問題を浮き彫りにし、長野市議会の意思として法反対を表明できるよう力を尽くしたいと思います。今の市議会の政治勢力では”至難の業”ではありますが…。
実は、4日夕方、共産党の野々村市議から、「あと2日、国会審議の時間が残されている中で、市議会として国に対し慎重審議を求める意見書採択ができるよう、最大会派・新友会に働きかけられないか」との呼びかけがあり、即座に応諾し、5日朝、新友会の岡田会長・中野幹事長と会談を持ちました。
新友会の両氏は、「慎重審議を求めたいとの思いは共有できないわけではないが、ここまで来ている国会の状況もこれあり、県議会では慎重審議を求める意見書が否決されていることから、同調することは難しい」との対応。最終的に会派総会に諮ってもらったものの、回答は「ダメ」ということになりました。新友会としては「法の適正運用を求めるとともに、第三者機関に関する意見書を準備したい」とのことです。
第三者機関が内閣から独立した機関として設置することを求める内容になるのか、不鮮明ではありますが、それはそれとして検討したいとは思います。
新友会の総会でどんな議論があったのかは定かではありませんが、個別に話をする限り、「なぜ、こんなに急ぐのか。慎重審議を求めるというのはいいではないか」との声もありました。「もの言えど唇寒し」なのでしょうか。残念な顛末報告です。