10月20日告示・27日投票の長野市長選挙が目前に迫ってきました。ポスト鷲沢市政の担い手は、5人の予定候補者により争われる構図となっています。
私は、鷲沢市政に対し、官主導で行政のスリム化に重点が置かれているとはいえ、都市内分権の仕組みを住民自治協議会という形でスタートさせ、住民自治を醸成する機運をつくったこと、公共交通を都市インフラと位置づけた上で、交通空白地域や交通不便地域に目を向け地域公共交通ネットワークの整備に向けて取り組んできていることを評価しつつ、是々非々で臨んできました。
施設建設の10大プロジェクトについては、耐震化をはじめ必要であり求められる施設建設であるとの認識に立ちつつ、市民の合意形成の重要性を厳しく指摘しながらも(予算修正案を提出したこともあります)、最終的には支持してきました。庁舎・市民会館の建て替えにあたり、議員提案の独自の住民投票条例案を策定し、市民の信任を問うことも求めてきたのも、市民が主役の市政を取りもどしたいとの想いからでした。
一方、鷲沢市政の成人学校受講料の値上げや公共施設の利用・使用料など利用者負担の見直しによる市民負担の増大に対しては、市民活力の減退につながることから、異論を唱えてきました。
9月市議会では「社会保障の水準はナショナル・ミニマムとして国が決めるべきで、国の施策を所与のものとして施策を展開する」とする市長に対し、「暮らしに格差が広がる中、国の施策水準を超えて、福祉の充実を求める市民の声に真摯に向き合うことが必要だ」と政策転換を質してきました。
また、民営化をはじめ民間活力の導入を市政への基本姿勢とすることに対し、質の高い公共サービスの提供が歪み、また、官の活力が委縮し喪失されることを危惧し、慎重な対応を求め続けてきました。
今日の長野市政に求められる課題は、人口減少・少子高齢の時代にあって、「ハードからソフトへ」、「ハコモノ重点から子育て・高齢者福祉重点へ」シフトする明確な道標を築くことにあると考えています。
そして、市職員の活力を汲み上げ「官の力」を正常化することにあると考えます。
二代続けて、市長が民間企業の社長経験者では、変わり映えしません。事実上、鷲沢市政の継続となる道ではなく、もう一つの新しい道を模索したいと思うのです。
この間、私は「100%支持でき、市民の皆さんにお勧めする候補者が見当たらない」と斜に構えつつ、「政策を見極めて判断」としてきました。
熟慮の結果、消去法ではありますが、《選択のキーワード》として「市政の転換」「世代交代」「女性の視点」を重視し、高島陽子さんに期待を表明したいと思います。
高島さんが掲げる政策には、骨太な「背骨」と「深み」がイマイチだなと思うところも正直ありますが、消去法的選択です。
因みに、長野地区平和・人権・環境労働組合会議では、連合長野地協の自主投票の決定とは異なり、加盟労働組合単組の対応を尊重しつつも「高島陽子・支持」を決めました。
迫る市長選挙、私は高島陽子さんに期待を表明し、長野市政の新しい時代を拓きたいと思います。
ご理解を賜り、お力添えをいただければ幸いです。