長野市議会の議会報告会…5月連休明けに実施へ

 9日、市議会に設置された議会活性化検討委員会で、議会報告会の実施について協議し、5月の連休明け、7日から10日の間の平日夜に市内1カ所で開くことを確認しました。場所は、市役所講堂、ふれあい福祉センター、若里市民文化ホール、生涯学習センター等から選定することに。

 「議会活性化検討委員会」は、その前身である「議会基本条例検証・議会活性化検討委員会」が昨年9月に議会活性化に関する答申をまとめたことを受け、答申の具体化をはじめ、当面、議会報告会の内容や開催方法について3月定例会までに中間答申することを目的に設置されたもので、私は引き続き委員を務めています。

 『答申』では、早期に実現が求められる議会報告会や委員会記録のホームページ公開、行政視察報告書のホームページ公開、議会傍聴者への資料提供の充実、議会基本条例等に関する研修の実施を速やかに具体化することを提言するとともに、今後の課題として、正副議長の会派離脱、議会内討論と政策立案を強めるための政策検討会のあり方、予算審査のあり方、通年議会、地方自治法第96条2項の規定による議会の議決すべき事件の拡大などを検討することを求めました。
 市民の皆さんの関心と期待に応えていくための議会活性化の課題は満載です。

 さて、冒頭の議会報告会の実施については、予算議会となる3月議会の議決内容を中心とする報告会で、常任委員会からの報告が柱となりますが、特別委員会の報告をどうするか、また会派としての意見表明の場を設定するか、どのように市民に周知するかなどなど、さらに検討を図ることになっています。

 全国的には、議会報告会や市民との意見交換会は積極的に取り組まれており、議会活性化の目玉の一つになっている課題です。四日市市議会や会津若松市議会の取り組みが特徴的なものとされています。県内でも開催方法は異なりますが、多くの自治体議会で取り組まれています。
 しかしながら、県都の市議会等では、自治体や議会の規模が大きいこと、会派制を基本にしていることなどから、なかなか具体化されていない実態があります。
県都・長野市議会の議会報告会の取り組みが、一つのモデルになればと願いながら、議論を創っています。

 とはいえ、検討委員会内での合意形成が鍵です。現状の議論では、かなりオーソドックスな議会報告会の域を超えないもののと思われますが(残念ですが)、意見の相違を互いに議論を通して克服し、議会活性化を「形」にしていくこと、このことを基本にして、市民の皆さんの関心と期待に応えられるよう取り組みを進めたいと思います。

 昨年11月、議会運営委員会で視察した他議会の議会活性化の取り組みについて、視察報告書への意見メモとしてまとめたものを掲載しておきます。断片的でわかりづらいかもしれませんが、参考になればと思います。

◆議運視察報告について(長野市議会に活かしたい点を中心に) 市民ネット・布目裕喜雄

【町田市議会】
➊常任委員会のネット中継について、4常任委員会の同時放送で市民が選択して視聴できるシステムの導入。ケーブルテレビでの複数委員会の同時中継が困難と思われることから、ネット対応を主とした対応が求められる)
➋議場について。親子傍聴室が単独に開設されている点は参考とすべき。また車いす用の部分の座席が折り畳み式になっている点も介護・介助人への配慮として参考となる。長野に取り入れられるかは要検討。
➌ディスプレイ設置(設置場所はいかがかと思うが)により、出席議員数、一般質問の残時間、票決結果がビジュアルに判明するシステムは、押しボタン式の表決と合わせて、導入を考えるべき。

【四日市市議会】
➊全議員が参画し、市政課題に対する共通認識を醸成し政策立案機能の向上に資するとされる「議員政策研究会」のあり方は、注目する取り組みである。長野市議会においても「検討会」方式により個別政策・施策の検討が行われているところであるが、全議員による議員間討議を深め政策立案につなげていく取り組みとして学ぶところが多い。
➋議会への市民参加の取り組みである「市議会モニター」は、議会の活性化の取り組みを市民目線で客観的に評価してもらう仕組みとして意義がある。松本市議会でも同様の取り組みがあるが、長野市議会としても検討課題に加える必要がある。
➌シティ・ミーティングに始まり議会報告会との2部制開催となっている四日市の議会報告会は、議会と市民の双方向性が担保される仕組みとして注目すべきである。「議会報告会議会運営細則」という形で取り組みが規定されており、参考にしながら長野市議会の議会報告会のあり方を検討していく必要がある。
➍文書質問について、長野市議会への導入を検討し具体化したい。

【大津市議会】
➊議会と私立大学とのパートナーシップ協定締結により、議会としての政策アドバイザー制度(まだ発展途上のように思われるが)の導入、政策検討会議等による政策立案機能の強化の志は学びたいところである。地域政策等における大学との連携について、議会として検討する意義はあると思われる。
➋この点は、議会報告会運営の中立性を担保するために、大学の研究者がファシリテーターの役割を担う形で検討されている点は、学ぶところが多いといえよう。また、議会報告会は公務でないとし議会事務局が対応していない点、議員の個人的意見を排除する運営がされようとしている点(四日市市議会は議員の個人的意見の発表を議会全体で容認していることと対照的)などは、一つの見識として検討課題とし、長野市議会・議会活性化検討委員会の論議に付されるべき事項と思われる。

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