1月3日、地元の安茂里公民館・安茂里住民自治協議会による成人祝賀式に出席。地域での仕事始めとなる恒例の行事です。
新成人の指揮とピアノで「ふるさと」の大合唱に始まった成人式は、新成人の代表らでつくる運営委員会が進行役を務め、華やかで厳粛な式典となりました。
毎年、祝辞を述べる機会をいただいています。今年はこんな内容でお祝いしました。
新年あけましておめでとうございます。そしてご成人おめでとうございます。成人を迎えた皆さんの社会が平和で希望に満ちたものであることを心から願うとともに、皆さんの計り知れない可能性に大きな期待を寄せたいと思います。
今日、会場の前で赤ちゃんを抱っこした若いママが振袖姿で記念撮影をされていました。20歳のお母さんです。幸せ一杯の笑顔に「大変だろうけど、元気に頑張って!」と心の中でエールを送らせてもらいました。
新成人の皆さんには幸せをつかんでもらいたいと心から願う反面、今の日本の社会では3人に1人が非正規雇用です。特に若い世代の就職難はいまだ深刻です。働き方が不安定だと、心も不安定になります。また、結婚や子育てなどの人生設計も考えられなくなってしまいます。
でも、諦めないでほしいと思います。
20歳になった皆さんは、選挙権を得るとともに、また責任も負うこととなります。今、政治はどんどん遠いものになっているのかもしれません。政治の営みは議員達だけの仕事ではありません。政治は日々の暮らしに直結するだけに、ものいう成人、自己主張する成人であってもらいたいと思います。しかし、自己中心であっては困るということも申し添えますが。
最近、カン・サンジュンさんの「続・悩む力」を読みました。ベストセラーとなった「悩む力」の続編です。大震災、原発事故という未曽有の経験をする中で、幸福とは何か、自我をいかにつくるかが問い返されている内容ですが、「大いに悩んで成長しなさい」との若者へのメッセージにもなっていると解釈しています。
カンさん曰く…他者から認められることで自分が確立でき、自分探しができるというものです。他者からのアテンション(思いやり・ねぎらいの眼差し)と他者へのアテンションによって自分を確立してほしいと思います。(もっとも、この部分は「悩む力」からの引用です)
新成人を一つの区切りとし、新しいスタートにしてください。
最後に、皆さんの周りにいて皆さんの成長を支えてくれた多くの人たち、ご両親ご家族、恩師、そして友人の皆さんに、ともに「ありがとう」の感謝の言葉を送るともに、成人を迎えた皆さんの未来が希望あふれんこと、そして皆さんが、命を大切にし、互いに支えあい、「絆」を強めあわんことを心から願い、お祝いの言葉といたします。
今年の成人祝賀式は、殊の外、静かで静粛な雰囲気でした。女性陣はきちんとストールをはずし、ざわつくこともなく、みんな素直で良い子(?)たちでした。大人ってことです。