市民ネット…新年度予算編成にあたっての重点政策・施策の要望

予算要望書を市長に提出

 12月議会前のことになりますが、11月27日、市民ネットとして市長に対し、H25年度予算編成にあたっての重点政策・重点施策の要望を行いました。いわゆる新年度予算要望です。

  「平和を希求、人権を尊重、自治を実現、安心・安全が市民の心に響く長野市政を」を掲げ、11の重点政策と106項目の重点施策を盛り込みました。

 2人の副市長も同席しての要望では、「基本的に同意しうる内容が多いが、なかなか実現が難しい項目も多い」と市長。1時間余りの意見交換となりましたが、公契約条例の制定や放射能測定機器の更なる導入、灰溶融炉からの撤退、生活保護行政の充実、子ども部の設置、TPP不参加の国への働きかけ、オスプレイの監視体制と情報公開などなど、「まぁ、考え方、価値観の違い」とされ平行線をたどる内容があるのは事実。毎度のことではありますが、寄って立つ基盤の違いを痛感します。

市長の答弁に「納得できない」と腕組み状態となったいる場面です。手前側は鷲沢市長を真ん中に黒田副市長と樋口副市長

 
 今年の予算要望は、野田元総理の「近いうちに解散」発言以降、国政の政局に振り回され、熟慮に熟慮を重ねた内容とできなかったことが反省点です。
 
 12月議会で論点となった項目も多いのですが、市民の暮らしに眼を据えた「選択と集中」により厳選した106項目の施策実現に向け、力を尽くしたいと思います。

市長とのバトル?でもないか!賛同するかどうかは別にして、市長の率直な想いが見える場面です


 新規に要望した事項、重点として強調した事項を中心に予算要望のエッセンスを拾いました。詳しくはHP本編の予算要望書を参照してください。

★はじめに
 (1)大規模プロジェクト事業の施設建設段階を迎え…
 (2)東日本大震災、福島第一原発事故から2年目を迎えようとする今日…
 (3)地域主権の時代、市民が主役となる姿勢を実現するために…

★11の重点政策と106の重点施策

1.いのち、ライフラインを護る-大震災を教訓に災害に強い都市づくりを優先。
 *ゲリラ豪雨対策として、都市排水路や雨水貯水池の整備の前倒し
 *原子力災害を想定した防災訓練の早期実施
 *給食食材全ての品目の放射能測定と精密検査機器の早期導入
 *利用者負担に過度に依存しない上下水道経営計画の策定

2.自然エネルギーに転換、脱原発環境都市・ナガノへ。
 *原発に依存せず、太陽光、小水力、地熱利用を柱に自然エネルギーに転換
 *脱マイカー施策の具体化、新たなノーマイカー通勤運動の実施
 *ごみ焼却施設の建設は地域住民の十分な理解、合意のもとに進める。灰溶融炉の設置の見直し。

3.都市内分権は市民自治の観点から民主導へ転換し成熟度を高める。
 *財政支援による事務局長の専従配置状況を踏まえ、まちづくりと地域コミュニティ再生を柱に、地域福祉ワーカーを地域振興部所管へ、中山間地域における地域活性化推進員と一体で、総合的な支援体制を確立。
 *住民自治協議会と支所長との連携強化、支所の住民自治協議会活動を支援する担当職員の増員
 *南部土木事務所構想の再検討

4.「効率・採算」から「市民必要度・満足度」を基本にした行財政改革へ。
 *公契約条例の制定
 *指定管理者モニタリングに、市民参画による第三者機関=(仮称)「行政サービス検証委員会」を設置
 *「D評価」の指定管理者について、2年以上継続して改善されない場合、選定対象から除外するなどの措置の検討
 *公民館の直営維持

5.市有施設の再生・再構築へ。ハード・ソフト両面から見直す。
 *10の大規模プロジェクト事業、福祉や教育分野にしわ寄せされない財政運営の堅持
 *公共施設の見直しにあたり、市民参加による(仮称)「公共施設見直し市民委員会」を設置、市民とともにつくる「公共施設白書」「施設再配置計画」へ
 *(仮称)「公共施設維持管理基金」の創設
 *新第一庁舎・新市民会館の建設に市内地元事業者の受注増へ
 *新市民会館運営組織=新たな財団の専門的機能の強化、初動・準備段階からの十分な職員体制の確立
 *学校給食センター全体の整備事業として大規模プロジェクト化。豊野給食センターの統廃合は慎重に。自校給食方式のメリットの再検証と施策への反映
 *公園での犬の散歩の解禁

6.安定した雇用、安心できる福祉を最大の課題とし、長野市独自の暮らし支援策=セーフティネットを用意し、市民生活を護る。
 *生活保護法本来の無差別平等原理、生存権原理に基づき、セーフティネットを拡充。厚生課に社会福祉士の配置、ケースワーカーの増員
 *官によるワーキングプアの解消
 *障害当事者の意見・要望に基づく市単独の支援策の拡充、障害者差別禁止条例の制定
 *長野技能五輪、アビリンピックの開催経験を踏まえた、若年技術者、障害を持つ技術者の育成促進、就労の環境整備
 *救急救命センターの増設は、北信医療圏全体の第3次医療のあり方を見極め、日赤病院及び厚生連篠ノ井病院、市民病院、3者との協議を市が主体となって冷静に進め、県に対応
 *がん検診における経済格差の是正、低所得者層を重点とした受診対策の確立

7.子育ち・子育てに夢を。地域・行政をあげて応援。
 *子ども部の設置
 *妊産婦の検診・超音波検査の公費負担による継続
 *子宮頚がんワクチン、ヒブワクチン及び小児用肺炎球菌予防ワクチンの予防接種化。副作用等の症例情報に機微に対応できる態勢確立。子宮頚がん予防のための定期検診の充実。
 *図書購入費の増額、専門職としての司書の正規職員化
 *学校施設・保育所へのエアコン設置
 *県短大の4年生化、地域経済及び地域コミュニティの再生、地元雇用につながる学部・学科の編成へ

8.歩いて暮らせるまちづくり、歩行者優先・公共交通優先のまちづくりへ。
 *ICカード乗車券の利用促進、市内公共交通機関への全面導入及びICカードの汎用性の向上
 *新交通システムの導入、多角的・多面的検討のもとに市民合意へ
 *長野市版公共交通ビジョンは、市民の移動権(交通権)保障を打ち出し、総合的公共交通ネットワークの再構築へ
 *旧屋代線の跡地活用は沿線3市共通の一体的な活用を
 *マイカーから公共交通への利用転換に、「(仮称)市民エコポイント」制度の導入をはじめ政策誘導を

9.中山間地域=田舎の原風景を残し、続けられる農業・林業を。
 *TPPは国に対し参加しないよう働きかけ
 *「儲かる農業」から「続けられる農業」に転換
 *市単独補助事業で新たに建設する食肉加工施設は、加工肉の消費拡大、販路の確保等、事業効果が担保される施策として展開

10.豊かであり続ける自然とホスピタリティを活かす。
 *「善光寺平和サミット」「門前まちづくりサミット」など、善光寺を中心とする門前町の特徴を生かし、次世代につながるイベントの企画へ
 *セントラルスクウェアでの観光バス駐車社会実験の結果を踏まえ、貸切大型バスを市街地に滞留させず、中心市街地で観光客を降ろし、郊外臨時駐車場または善光寺駐車場の利用による、大型バスの運行迂回ルート及び郊外駐車といった「長野観光ルール」を確立、市街地の渋滞緩和と観光客の歩行による回遊性の向上へ
 *実質債務超過となっている戸隠スキー場は、抜本的な経営改善計画を早急に講じる

11.人権都市ながのへ、そして市役所に活力を。
 *垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの国内低空飛行訓練に対し、支所を中心に市独自の監視体制をつくり、情報を公開
 *結婚や就職をめぐり依然として深刻な部落差別に真正面から向き合い、市民はもとより運動団体とも連携した人権尊重施策を展開。人権同和政策課の維持
 *部長会議及び政策会議の議事録の作成と公開
 *職員不祥事の度重なる発生を重く受け止め、市職員のモラル向上を厳しく徹底

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