バスガイドブックとICカード「くるる」

11月1日「広報ながの」と同時に全戸配布される「長野市バスガイドマップ」

 長野市バスガイドブックが発行されました。バス等の利用促進を図る目的で、長野市内の路線バス、市バス、乗合タクシーの路線を網羅したもの。長野市公共交通活性化・再生協議会が作製・発行しました。市内の全戸に11月1日の「広報ながの」と併せて配布されます。

実際の地図に落とされた路線図、時刻表とセットならば「なお良し」なんですけどね。


 今までのバス路線図(バス事業者が作製したもの)は、模式図で、実際の道路に合わせて作成されていないため、自宅を起点にどのバス路線が利用できるのか、わかりづらいものとなっていましたが、今度のバスガイドブックは、実際の地図に路線やバス停等が示されているため、現実感覚をもって見ることができます。
 A4版49ページ立で結構ボリュームがあります。

 中心市街地ぐるりん号の時刻表は掲載されているのですが、路線毎・主要バス停での時刻表もセットで掲載されていると、よりわかりやすさ、使いやすさが増したと思います。路線毎の始発地点と終点地点での時刻表を一覧表にして掲載することはできたのではと思います。バスの時刻表は頻繁に変わることや紙面の都合など事情があるのでしょうが、残念です。第2弾での課題でしょう。

 早速、交通政策課に確認したところ、永久保存版となる「バスガイドブック」の反響を判断しながら、今年度中を目途に「バス時刻表」の配布を計画しているとのことです。

 バス会社の営業所には路線毎時刻表が置いてありますから、ここを利用する手が一番早いのかもしれません。バス会社のホームページにも、時刻表が掲載されてはいますが、わかりづらいですし、インターネット環境にない市民が多いことからも、早急なる対応が求められます。
 また、都市間交通となる高速バスの案内周知も必要でしょう。

 当面は、各家庭で、信毎販売センターが信濃毎日新聞購読者へのサービスとして配布している「列車・バス時刻表」(主要路線を掲載)を活用するしかなさそうです。

上が、県の観光キャ=アルクマ君を配した記念カード(2,000円)、下が記名式のICカードです。


 10月27日からバス共通ICカードKURURU(くるる)の運用が始まりました。交通政策課によると30日現在で6253枚が販売され、大きなトラブルもなくおおよそ順調にスタートしているとのことです。
 とはいえ、乗り継ぎ割引や定期券カードの読み込みにトラブルが生じているようです。また、バス車内でのICカード対応等により定時性に若干の遅れも生じているとのことです。バスの運転手さんにとっては大変神経を使う新しい仕事になっています。

 30日にアルピコ交通労働組合・川中島バス支部の定期大会があり、状況を聴きました。事前にICカード対応の研修・訓練が行われてきましたが、短時間の研修・訓練で熟知度・周知度には課題が残っているとのこと、一人の運転手で複数の路線を運行することから、システム上の路線切り替えの徹底に気を使うということもあるようです。
 また、現金を扱うことにもなることから「神経擦り減らすよ。お客さんを待たせたくないし」との声が…。「でも定着して、お客さんにもっとバスに乗ってもらえればうれしいんだけどね」とも…。応えたいものです。

 「お出かけパスポート」(70歳以上の高齢者を対象に市内一般路線バスを1回の乗車につき100円の運賃で利用できるサービス)のICカード切り替えが11月1日から始まります。来年の2月一杯までをかけて市内の支所や保健センター等で手続きが進められます。

 新しいシステムのスタート時、混乱は避けられませんが、お出かけパスポート・ICカードの利用の開始とともに、もう一山ありそうです。定着までに半年くらいかかるのでしょうか。1日も早く定着し、バス利用の促進が図られることを期待します。

 私も30日に、トイーゴ内の「くるるカードセンター」で記念カードと記名式カードを購入しました。利用を進めたいものです。交通政策課からも出向対応されていて、ご苦労様です。

 バスガイドブックもICカード導入も、バス交通の活性化・再生をめざし策定された「長野市地域公共交通総合連携計画」に盛り込まれたメニューです。国の制度変更により事業の縮小・見直しが余儀なくされたものの、目玉である「ICカード」が実現にこぎつけられたことは何よりです。
 
 「連携計画」では、市内路線バスの年間利用者数をH20年の820万人からH25年には1000万人達成(22%増)を目標にしています。また、市内路線バス利用者の満足度を30.4%(H21)から50%(H25)へ、バスのサービスレベルの認知度で「知らなかった」と答えた割合を35.2%(H21)から20%(H24)にすることを目標にしています。
 これらの目標の達成度はまだ中間報告されていないはずですが、今後、確認しながら、改めて課題と対策を考えていく必要があるなぁと感じているところです。新交通システムのあり方と連動させながらということになりますね。

 長野市内の公共交通分担率は6%、内バスはわずか1.6%。自動車が66%です。交通不便地域・交通空白地域における公共交通網の整備やバスの利便性を高めることに重点が置かれた施策展開から、マイカーからの乗り換え促進を図る施策展開に移行していくことも重要です。

アルピコ・川中島バス労働組合の定期大会。賃金・労働条件の向上、東京営業所の将来展望、高速バスのあり方、公共交通政策など活発な議論が行われていました。


私鉄総連で最優勝賞に輝いた「川バス支部」のかべ新聞。

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