24日、本会議が開かれ、南長野運動公園総合球技場の改修費80億円を債務負担行為に設定する一般会計補正予算案など、すべての議案を可決しました。
今議会最大の焦点である南長野運動公園総合球技場の改修問題では、「もろ手を挙げての賛成ではない」と断りながら積み残されている課題を指摘し賛成討論を行いました。
これまで「反対はしないつもり」と心情を明らかにしてきましたが、実は「棄権」の道も探り会派内で相談してきました。前夜のとある地元の会合の中で、可否を投げかけたところ、「棄権はわかりにくい。ここまでくれば反対ではなく、課題をしっかり指摘して賛成する方向で良いではないか」との助言もあり、賛成の立場を決めました。
《賛成討論の内容》をホームページ本編に掲載しました。
★120924「サッカースタジアム改修事業費80億円に、課題を指摘して賛成討論」
★関連ブログ記事
120920「総務委員会…球技場改修で財政見通しや市民合意を質す」
120919「建設企業委員会…サッカースタジアム補正予算案を可決」
120917「9月議会・最大の焦点…サッカースタジアム建設問題」
120829「J1基準のサッカースタジアム整備に80億円…期待と懸念」
この間、市民の方から、賛否両論、厳しいご意見を含めて頂戴してきました。全体的に、J1基準のサッカースタジアム整備に高揚感は乏しい現実にあるとは思います。私なりの説明責任・議決責任を果たしていきたいと思います。引き続きご意見をいただければ幸いです。
24日に行われた各常任委員会委員長報告から、注目すべき事項をピックアップします。
◆エムウェーブ次世代エネルギーパーク整備事業、事実上「白紙撤回」に
3億円をかけて整備するとしたエムウェーブ次世代エネルギーパーク計画はとん挫し、事実上撤回されることになりました。3月議会段階では「期限にとらわれず内容を詰めたい」と軌道修正を図っていたものですが、そもそも事業効果の予測などに甘さがあり拙速な計画であったことから、当然の帰結だと受け止めます。
私は、当初予算案に盛り込まれたエムウェーブ次世代エネルギーパーク整備事業費2,050万円を削除する修正案を提出してきた一人です。整備計画撤回の結果は「遅きに失する」感がありますが、議会の行政に対する監視評価機能が正しく作用した結果であると思います。
◆市保健所での放射性物質検査、わずか週2日の検査にとどまる
食品の放射性物質検査で、消費者庁から貸与されるNaIシンチレーションガンマ線スペクトロメーターが9月26日に保健所に配備され、10月中旬から臨時職員を雇用して検査を実施するとのこと。しかし、検査器の稼働はわずか週2日という体制であることが明らかに。週2日の検査でどれだけの給食食材の検査ができるのかをしっかり検証し、貸与機器のフル稼働・有効活用を迫っていく必要があります。
◆救急救命センターの指定拡大を求める請願、継続に
現在、長野医療圏においては長野日赤病院が県の救急救命センターに指定され、第3次医療を担っていますが、今議会に、厚生連篠ノ井総合病院を新たに指定する請願と長野市民病院を指定する請願がそれぞれ提出されました。松本市では信州大学病院と相沢病院の2つが指定されています。
北信地域全体を見据え、第3次医療の在り方を考える必要があります。市内3病院を指定する方向に県がどのように判断するのかということを見極める必要もあります。
もっとも、医師会等で事前に調整協議できなかったものなのかとの疑問が残ります。12月議会に向けて調査を深めたいと思います。
◆長沼小学校の建築当時で工事の手抜きが発覚
同小学校の耐震補強工事にあたり、S56年の建築段階で、コンクリートで被覆されずに鉄筋が露出している個所や防火区画の形成が不十分であった箇所等が判明。つまり手抜き工事が行われていたことが発覚したものです。瑕疵担保責任を問える10年間を経過しているため、法的責任を問うことは困難とされ、経済文教委員会では「当時の施行業者には社会的、道義的責任がある」とし、当該事業者に文書による回答を求めたとのことです。
手抜き工事はあってはならないことです。事実経過を更に検証し、施行業者に責任を問うことが再発防止につながると考えます。
◆常設型住民投票制度を求める請願、賛成少数で否決に
紹介議員となった常設型住民投票制度を求める請願は、残念ながら否決となりました。昨年の市議選時の信濃毎日新聞のアンケートに、現議員39人のうち28人の議員が常設型住民投票制度が必要であると答えていましたから、本来ならば可決されてしかるべき事柄なのですが…。
市民会館建設問題が争点の一つになった市議選、選挙対策だったのでしょうか?選挙時における市民への約束を誠実に履行しない議員の存在が市議会を遠いものにしてしまうことに謙虚に眼を向けるべきでしょう。