18日に開かれた市議会建設企業委員会は、南長野運動公園総合球技場の再整備に向けた80億円の債務負担行為を盛り込んだ補正予算案を新友会・改革ながの・共産・公明議員の賛成多数で可決しました。反対は無所属議員1名。
*「債務負担行為」とは…地方自治法第214条に規定されているもので、1つの事業や事務が単年度で終了せずに、後年度においても「負担=支出」をしなければならない場合に、議会の議決を経てその期間と額を確定するもの。サッカースタジアムの場合はH25年度から3年間で80億円と設定するものです。
私は総務委員会に所属しており、同僚議員は福祉環境委員会所属で、この委員会には入っていないことから、傍聴しました。
委員会では、80億円の総事業費の積算根拠や財源確保について、十分な資料が開示されず、議会の求めに応じ“小出し”で資料開示がされてきたことについて批判が相次いだものの、議論としては、もっぱらサッカースタジアム改修に関する2件の請願審査に集中した感があります。2件ともに、請願者が参考人として意見陳述しました。
請願の一つは、長野市サッカー協会などの競技団体が提出したもので、「南長野運動公園総合球技場をJ1リーグ戦が可能な競技場に早期改修すること」、「ラグビーやアメリカンフットボールなどの国際試合が可能な総合球技場とすること」を求める内容。
請願後段部分にある、当初「国際的な大会」とされた部分を「国際試合」に訂正して、賛成多数で可決。「国際的な大会」となると4万人規模のスタジアムも想定されるため、1万5千人収容で開催できる国際大会プレマッチや交流・親睦試合に限定すべきとする発想からの議論なのですが、「国際的な大会」、「国際試合」といった表現の違いは、ほとんど意味がないのでは…。
請願団体も、国際大会の基準となる4万人規模の大改修を求めているものではなく、そもそも、再整備計画ではラグビーやアメフトと併用できるグランド整備として提案されているわけですから、後段部分は「削除」するか、「国内外から1万5千人のスタジアムで可能なラグビーやアメフトのゲーム招致にも積極的に取り組むこと」といった趣旨に変えた方がわかりやすいのになと思いながら、苦笑気味で議論を聴きました。
もう一つの請願は、信州・生活者ネットワークながのから提出されたもので、総合球技場整備事業について市民に十分な説明を求める内容。私は紹介議員に名前を連ねました。
具体的には、①事業費80億円の見積もりの根拠、②国の交付金が38億円に満たなかった場合の対応、③民間資金が6億円に満たなかった場合の対応、④市債2億円の返済計画と財政推計への影響、⑤維持費・管理運営費の試算結果、⑥費用対効果の検証結果、⑦パルセイロの経営状況及び今後の経営計画の市としての把握内容と支援策について市民への説明を求めるものです。
この請願も一部訂正し、全会一致で可決されました。
7項目について市民に十分な説明を求める請願の全会一致での可決は重要です。この請願に誠実に応える市の責任が求められるからです。
サッカースタジアム整備事業に80億円の債務負担行為を設定する補正予算案は、委員会可決により24日の本会議で可決されることになります。
私は、既に「期待と懸念」という形でブログに記し、また12日の一般質問で取り上げてきました。
気分的には、もろ手を挙げての賛成とはなりませんが、反対はしないつもりです。
しかしながら、懸念や疑問がスッキリと晴れているわけではありません。将来的な財政への影響、福祉や教育へのしわ寄せ、新交通システムをはじめとする新規事業の見込み、AC長野パルセイロのJリーグ昇格基準の達成や今後の経営計画の実現性などとともに市民合意が課題として残っていることをきちんと指摘し、今議会での市側の答弁に対する一貫した責任を求めながら、賛成したいと考えています。
ご意見をいただきたいと思います。