昨日27日午後3時から、生涯学習センター(トイーゴ)で催された槇文彦氏講演会を聴きに。槇氏は新第一庁舎・新市民会館の設計を担当する槇総合計画事務所の代表取締役。新市民会館市民ワークショップの皆さんが企画したもので、「近作を語る」と題した90分の講演。会場は200人を超え一杯でした。市議も10人位参加していたでしょうか。
槇氏は、モダニズム建築の作品や幕張メッセなどのメタリックな作品が特徴とされる建築家で知られています。アメリカのワールドトレードセンター・タワー4の設計にも携わるなど、世界的な建築家の一人です。連絡デッキの落下事故を起こした朱鷺メッセ(新潟市)を設計したのも槇事務所です。
講演では、槇氏が設計した国内の最近の建築物である三原市芸術文化センター(広島県)や名取市文化会館(宮城県)、町田市役所庁舎、東京電機大学(北千住)、さらに海外でのワールドトレードセンター・タワー4などを紹介。
「違う場所、違う文化の中で、新しい経験の集積を大事にしたい」「設計者・施工者を含めて、いい人との出会いとつながりが、いい建築をつくる」「建築・施工のグローバル化」「使いやすいものを作っておくことが建築家として大事」と述べたことなどが印象に残ったものの、物足りなさも…。
私としては新庁舎・新市民会館の建築家としてのコンセプト、合築にあたっての工夫などをお聞きしたかったのですが、新市民会館はサラッと触れた程度。「第2庁舎、立体駐車場を含め一体でデザイン」としたことがポイントですかね。
『一帯を現代の境内に再編』…これは基本設計案の中に出てくる建築及び周辺環境のコンセプトなのですが、『現代の境内』という発想に触れてもらいたかったし、またワークショップの皆さんが「長野らしさの表現に期待している」と点について、建築家としてのこだわりを聴きたかったですね。
新庁舎・新市民会館の基本設計案に基づく模型は500分の1スケールでつくられていますが、今後、200分の1スケールでつくっていくとのこと、平面図や断面図ではイメージが膨らまないので、これに期待したいものです。
7月6日に開かれる「第一庁舎・市民会館建設調査検討特別委員会」には、槇事務所から副所長とスタッフを招き、参考人として意見を聴くことになっているそうです。こっちの方が注目ですかね。
基本設計案へのパブリックコメントが7月25日までの期間で始まっています。