6月議会は22日、市側が提出したH24年一般会計補正予算案など16議案をすべて原案通り可決し閉会しました。
また、議会提案の意見書を3件可決しました。「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書」「社会基盤の再構築を求める意見書」「長野県短期大学の4年生化に関する意見書」です。
さらに、「病児・病後児保育事業の拡大の早期実現を求める請願」も全会一致で可決、市側に対応を求めることになりました。
争点となった一つは、保育園や小中学校の給食食材の放射能検査の拡充を求める請願への対応です。福祉環境委員会と経済文教委員会とそれぞれに付託された請願は、いずれも賛成少数で否決。本会議でも賛成13(市民ネット2/共産5/改革ながの5/無所属・西村議員)、反対25(新友会18/公明5/無所属2)で否決となってしまいました。
「子どもたちを放射能被害から守りたい、そのために十分な検査体制を市独自に作ってもらいたい」という、放射能汚染時代にあって極めて当たり前の母親の願いを踏みにじるものです。
請願に反対する論拠は、「消費者庁から貸与されるスペクトロメーターによるスクリーニング検査で対応できる、フル稼働させることを優先」「自然界にも放射能は存在する。福島第一原発から放出されたとの因果関係がはっきりしない」「PTAでは余り問題となっていない」などなど。なんか原子力村の御用学者の意見を聴いているようです。
請願を不採択とした委員長報告には、改革ながの、共産、無所属・西村議員、3人の議員が反対討論を行いました。市民ネットとしては反対討論はしませんでしたが、気持ちは一緒です。
PTAの声に関し、西村議員が反対討論で「PTAという大きな組織の中で、お母さん達が不安を声にすることがいかに大変か、議員たる者、想像力を働かせるべき」と指摘しました。その通りです。
私自身、安茂里地区のとある会合で、会議が終わってから、育成会の役員を務める若いお母さんがこっそりと近づき、「放射能が心配なんです。布目さんは放射能汚染に取り組んでいると聞きました。ぜひお願いします」と訴えられた経験を持っています。つい最近のことです。「PTAの中でも取り上げて大きな声にしようよ」というと、「そんな勇気ないです。PTAでというのは大変です」と小さくなって打ち明けるお母さんの姿がそこにありました。想像力を働かせ、不安を代弁しなければと痛感したものです。
市内の学校給食センター・共同調理場の献立コースは14コース、それぞれに異なる食材が使われます。現在の検査対象は県教育委員会の検査も含め、県外産食材に限定されており、「県内産・市内産は安全」との大前提で検査体制が組まれています。しかも県の検査基準が17ベクレルであることに対し、市の検査基準は50ベクレルとされています。
こうした検査体制で、子どもたちの体内被曝の危険性を除去できるかという問題なのです。「国が安全とするものは安全」という論理がまかり通っていますが、国の基準と対応への不信が根底にあることを忘れてはなりません。国の基準は絶対ではないのです。
望まれる市独自の検査体制の在り方について、これまでもブログに記してきましたが、今後、消費者庁貸与の検査機器でどこまで検査できるのか、県教育委員会の検査との連携、県の環境保全研究所のゲルマニウム半導体検査機の稼働体制をしっかり見極め、検査体制の更なる拡充に向け、引き続き力を尽くさなければなりません。
7月2日には、請願を提出した市民グループの皆さんとの意見交換会を持つことになりました。お母さん方の声をしっかりと受け止め、次なるステップを考えたいと思います。