被曝67周年非核平和行進…脱原発訴え

被曝67周年非核平和行進


 2日目の安茂里地区現地調査を終え、夕方からは被曝67周年の非核平和行進に合流。原水禁を中心に全国的に取り組まれているもので、8月6日広島、8月9日長崎につながるリレー行進の一環です。

 更地になった旧市民会館前で集会を開いた後、JR長野駅までデモ行進、脱原発!核兵器廃絶!基地のない島・沖縄の実現!を訴えました。今年の最大のテーマは福井県の関西電力・大飯原発の再稼働を許さず、原発ゼロの社会を実現すること、再生可能な自然エネルギーへの大転換を図るとともに、厳しい夏を節電で乗り切り、原発に依存しないライフスタイルを創造することです。

 集会に先立ち、長野地区原水禁として長野市に「脱原発・核兵器廃絶・非核平和行政の推進に関する要請」を行いました。私は、段取りだけして、地元の現地調査のため欠席となりました。
 以下、今年の要請書を紹介します。市側の回答については、やり取りを確認の上、特筆すべきことがあれば報告したいと思います。

《脱原発・核兵器廃絶・非核平和行政の推進に関する要請書》

 貴職におかれては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
 人類に筆舌に尽くしがたい被害を与えたヒロシマ・ナガサキの原爆投下から67年を迎えます。私たちは、被爆体験を原点に、核兵器の廃絶と世界の恒久平和を訴え続けてきましたが、いまだ核と戦争の脅威から人類は解き放たれていません。
 被爆67年の今年、あらためて被爆国日本からノーモアーヒロシマ、ノーモアーナガサキ、ノーモアーヒバクシャの訴えをしっかりと世界に届け、核兵器廃絶を実現しなければなりません。
 福島第一原発では、私たちが恐れていた「原発震災」が現実のものとなり、広範囲に放射性物質が飛散し、大気や土地、農畜産物などを汚染しています。現在もなお、放射性物質の放出は止まらず、避難した人々は居住地に帰ることができるかどうかも見通しが立たない事態となっています。
 核分裂のエネルギーは人間には制御できないことがはからずも実証されました。今後の日本の原発やエネルギー政策のあり方について根源的な課題を投げかけています。
 原子力に頼るエネルギー構造を根本的に転換し、自然(再生可能)エネルギーの研究開発、普及を急速に進め、脱原発社会へと大きく舵を切らなければなりません。大量生産・大量消費の社会のあり様も見直していく必要もあります。
 “3・11”を経験した私たちは、原子力という呪縛から解き離れた社会を選択しなければなりません。かけがえのない宇宙船地球号を、子々孫々まで残していくことは、私たちの世代の責務です。私たちは「核と人類は共存できない」ことを改めて確認し、非核社会をめざして、非核平和の県内世論を盛り上げていく決意です。
貴職が下記の事項について積極的な対応を取られるように申し入れる次第です。

                               記

1.福島第一原発事故を受けた放射能・原発事故対策の強化について
 福島第一原発事故では、いったん原発で大事故が起きると、きわめて広範囲に放射能被害がもたらされることが明白となった。また、県内においても放射能対策をすすめることが求められている。貴職として、次の対策を講じられたい。
①「地域防災計画」の見直しにあたり、新たに盛り込まれる「原子力災害対策編」を実効性のあるものにするため、モニタリング、健康被害防止、屋内避難・広域避難等の対策について具体的なマニュアルを作成し、市民に周知すること。
②東海地震を想定した地震防災対策に、浜岡原発の過酷事故を想定した対策を追加し、避難計画や救助、医療、物資調達体制など抜本的に見直すこと。
③放射線・放射性物質のモニタリング・測定体制を独自につくること。消費者庁から貸与されるNaIスペクトロメータの活用とともに、ゲルマニウム半導体検出器の導入をはじめ、さらに検査機器を拡充すること。測定結果は、迅速・正確にデータ公開し、住民が正確に事態を判断できるようにすること。
④安定ヨウ素剤を大量購入・備蓄し、乳幼児や保育園・幼稚園児、小中学生などに緊急に配布できるようにすること。住民に周知徹底し、配布体制を確立すること。
⑤放射能による被ばくを避けるための対処方法を住民に周知徹底すること。
⑥住民の退避計画の立案、被ばくした人々へのスクリーニング・除染などの救急・医療体制を確立すること。
⑦幼稚園、保育園、小中学校の給食用食材の放射性物質検査を行い、少しでも検出された食材は使用しないこと。
⑧幼稚園・保育園の園庭、小中学校の校庭の土壌検査を行うこと。
⑨東北地方の災害廃棄物(がれき)は、安全が確保できないものは絶対に受け入れないこと。
⑩福島などからの避難者支援策を拡充すること。また、夏休みなどに福島県の子どもたちが一時的に滞在する事業を保科温泉施設の利用からさらに拡大すること。

2.原子力政策の今後のあり方について
①福島第一原発事故の検証が十分に行われず、原発の安全対策の見直しも確定しないなか、原発を再稼動しないように政府に要望すること。
②中部電力に対し、浜岡原発の運転を再開しないように要望すること。
③政府に対して、核燃料サイクル政策を転換し、脱原発を基本とした新たなエネルギー政策を立案するように要望すること。

3.自然エネルギーの普及促進について
 原発に頼ったエネルギー構造の限界がはっきりした今、再生可能な自然エネルギーの加速的普及が求められている。自然エネルギー利用は小規模分散型の設備が有効である。地域の実情に応じた自然エネルギーを推進していく必要がある。
 貴職としても自然エネルギーの普及に向けた対応を強化されたい。
①太陽光発電・太陽熱発電の普及のため、設置者への助成措置を拡充されたい。
②公立の学校・病院・福祉施設などに、太陽光発電、コジェネレーションシステム、太陽熱、小水力などの新エネルギーシステムを積極的に取り入れること。また、地域でのエネルギー自給に向けて貴自治体の基本政策を確立するとともに、再生可能エネルギー事業を展開する企業や住民への支援策を講じること。
③エムウェーブに整備予定の次世代エネルギーパーク計画は、抜本的に見直すこと。

4.有事関連法により、市町村段階における国民保護のための基本計画が策定されている。万が一の有事に際して、貴自治体が住民に強制的な措置を取ったり、事業者に有事業務を強要するなど、基本的人権が侵害されることのないようにされたい。

5.現行の「原爆被爆者援護法」は、国家補償の精神が明記されておらず、被爆者の遺族に対する弔意も含まれていない。被爆者の願いを真摯に受け止める抜本的な法改正をおこなうように政府に対して上申されたい。

6.貴職の平和市長会議への参画、「ヒロシマ・ナガサキ議定書」への署名及び「非核平和自治体宣言」の主旨にのっとり、以下の具体的な施策を講じられたい。
①「長野市平和の日の集い」にとどまらず、8月6日・9日の原爆投下の日も含め、ヒロシマ・ナガサキ・ヒバクシャとの連帯を打ち出し、パネル展の拡充をはじめ、市民が手づくりで参加し核兵器廃絶の願いを結集できる企画として拡充すること。
②新庁舎建設に合わせ、非核平和モニュメントや非核平和宣言塔の建設を進めること。
③広島もしくは長崎の平和式典への市民代表団を派遣すること。
④非核平和の広報・教育活動を強化すること。
⑤核保有国が臨界前核実験などを行った場合、電報やFAXなどにより、自治体として抗議の意思を表明すること。
⑥上記の施策展開にあたり、「平和予算」として明確化し、市民への啓発と施策の充実を図ること。

7.夏の電力需要が増大する時期はもちろん、年間を通じて省エネルギーキャンペーンを強められたい。また、節電対策を自治体自ら実施するとともに、住民向けのキャンペーンを展開されたい。

8.原水爆禁止世界大会を成功させるために支援と協力を賜りたい。

以  上

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