先週の話。人材育成コンサルタントで辛口の評論活動を続ける辛淑玉(シン・スゴ)さんの講演を聴きました。2月3日に催された長野市の「人権を尊重し合う市民の集い」での講演会で、テーマは「人権力を養う-想像力を広げる視点」。
「在日朝鮮人」である辛淑玉さんは、「部落差別」や「アイヌ差別」、「朝鮮人差別」など、参加者が選んだテーマに沿って、人権感覚鋭く講演。参加者への質問も取り入れ、90分しっかり聴き入りました。私は、辛さんの著書は、野中広務さん(元衆議院議員自民党幹事長)との対談集である「差別と日本人」しか読んでいませんが、改めて、辛さんの「差別を見抜く力」と「すべてをありのまま受け入れるしなやかさ、限りない優しさ」に感銘を覚えました。
印象に残ったことは、幼児期に虐待を受けていた「死刑囚」を「さん付け」で呼んでいたこと(ここに限りない優しさを感じるのです)。そして「弱者は決して多数決では救われない」「『あなたは部落民か』と問われ『私は部落民ではない』と答えるところに、差別の複雑な根深さがある」との指摘です。「まだまだ想像力が足んないなぁ」と自戒です。
実は、屋代線「廃止」問題を協議した4日の特別委員会で、辛淑玉さんの「弱者は多数決で救われない」を引用させていただき、多数決で廃止を決めた法定協議会について「交通弱者・交通制約者は多数決では救われないですよね」と申し上げました。理解いただけたかどうかは分かりませんが…。
想像力をたくましく、人権感覚のアンテナに磨きをかけたいものです。