*京阪バスの公式ホームページ http://www.keihanbus.jp/
*京都松井山手線のバスロケーションシステム http://loca.keihanbus.jp/PC/
*京都松井山手線=京都駅と京田辺市や八幡市を結ぶ路線で、一部高速道路を使い、時間短縮を図っている。
京阪バスは昨年4月からICカードを導入。これにより利用者データが正確に取れることになり、「月に1回しか乗車しない利用者が3割」いることが判明。往復にすら利用されていないことから「わかりやすいバスを実現しよう」と導入されたのが、バスロケーションシステムです。
バスロケーションシステムとは、乗りたい路線バスが今どこにいるのか、あと何分で停留所に到着するのかを停留所に設置された案内機器や携帯電話で知ることができる仕組みです。
京阪バスでは、利便性向上と利用頻度の向上を図るため、バス車両にデータ通信機器を装備してオンライン化するシステムとしています。まずはパソコンや携帯電話、スマートフォンへの情報提供を重視し、停留所での案内(地上機)は今後の課題にしています。この辺は観光都市故なのでしょうか?観光利用者にとっては便利なツールになると思われます。
クラウドコンピューティングとMVNO(仮想移動体通信事業者)を活用した携帯電話網によるパケット通信を採用、バス車両と常時通信を実現しながら低コストなシステムを構築したとします。「今どきの話」で、京阪バス・森山企画課長のお話はイマイチ理解不明のところがあるのですが、ipadを使っての実際の説明で、なんとなくわかりました。
導入初年度は、550両の車両の内、京都府全域を対象とする路線で約190両でスタート。バス接近情報(現在位置、あと何分で到着)、バス位置情報(系統・行先・経由)、系統の運行ルート、渋滞情報や遅延状況の案内(バス営業所から)などを行います。
総事業費はICカードのポイント制導入分を含めて5億7千万円、バスロケーションだけでは約3億円。内、地域公共交通確保維持改善事業の対象事業となる1億4千万円の3分の1が国補助となります。県や市町村との協調補助の方向性は現在協議中のことです。 事業者負担が大きいのですが、さすが大手私鉄系列の京阪バスといったところです。
今後は、事故・渋滞情報や忘れ物案内など運行管理者からの文字情報配信を行うとともに、自治体と連携し、緊急地震速報・避難勧告、緊急避難場所の連絡表示など、防災情報を提供する機能を付加していきたいとのことです。また、前記した地上機の設置(参考=東武バスイースト)、ケーブルテレビとの連携・情報発信(参考=ケーブルテレビ品川)を展開していきたいとしています。
京都市営バスは独自にバスロケを既に導入していますが、複数社局のバス情報提供に前向きな点も、民間事業者としての意気込みが感じられます。本格的な事業展開はこれからですが、期待したいと思います。
私の勉強不足なのかもしれませんが、「バスのオンライン化」といった発想は新鮮です。
長野市では、10月からICカード乗車券が本格運用されます。バスロケーションシステムの導入は当初、地域公共交通総合連携計画に盛り込まれましたが、国の補助が削減されたことから事業としては「廃止」されています。
私自身も、地方都市におけるバスロケーションの導入は、費用対効果を見極めて判断していいシステムだと思っています。まずはICカードを浸透させ、利便性が実感でき利用促進につなげることが先決です。