25日、直面する政策・施策課題について、市民ネットで市長に緊急要請をしました。(要請書はHP本編にPDF版で掲載)
要請事項は、原子力災害及び放射能被害に対する備え(5項目)、新市民会館の建設(3項目)、第2次住宅リフォーム補助金の受付(1項目)など3課題9項目です。
「県の原発災害・防災計画をなぞって見直し」…3.11東日本大震災、福島第一原発事故を受けた「地域防災計画」の見直しにあたり、原発事故災害を想定した「原子力編」を構築することについては、県が取り組む防災計画の見直し骨子案を参考にして取りまとめる考えを示すとともに、「放射能に汚染された汚泥焼却灰の処分が大きな課題」としました。
「食物・食品の放射線検査、消費者庁の機器貸与事業の活用で」…また、汚染された食物・食品を摂取することによる体内被曝が懸念される今日、市民の食に対する不安を解消するため、市独自に「ゲルマニウム半導体核種分析装置」(約2千万円)を導入し検査体制を充実させることについては、市長は、消費者庁の機器貸与事業を活用し申請していることを明らかにしました。消費者庁が自治体に貸与する検査機器は簡易型の「ガンマ線スペクトロメーター」で、全国で24台。食材・食品に対する放射線検査に前向きな姿勢は一歩前進と評価するものの、全国で24台の貸与に長野市が当たるかどうかはわかりません。長野市に貸与が決まれば、それはそれで良いことですが、長期にわたる放射線検査が必要となることから、また中核市として独自に保健所を持つことからも、競争率の高い貸与事業に期待するよりも、市として機器を購入し恒常的な検査体制を作る方が、市民の安全に資する道になるのではないでしょうか。貸与事業の結果を見てから更に取り組みを強める必要があります。
さらに、1台導入した空間放射線の簡易測定器をさらに増やし、測定態勢を強化することについては、「現在は各課で連携して活用している。今後、必要となるかもしれない。検討課題」(市長)としましたが、簡易測定器の市民への貸し出しは「考えていない」と述べました。
「安定ヨウ素剤の備蓄、考えていない」…安定ヨウ素剤の備蓄も改めて求めましたが、「県でも備蓄しない方針であることから、今のところ考えてはいないが、対象者や服用のタイミング・方法など検討必要事項ではある。他市や国の動向を踏まえつつ研究したい」とするに止まりました。飯山市や松本市では既に備蓄を決定し取り組んでいます。県都長野市としての先見性が問われています。
新市民会館の建設にあたっては、合併特例債の5年間の活用期限の猶予を、改めて施設の必要性及び建設地をはじめ規模・機能、管理運営の在り方について市民合意を形成する有意義な時間と位置づけ、文化芸術活動の新たな拠点とする市民会館の在り方について再考することを強く求めるとともに、住民投票条例の僅差での否決を踏まえ、市民1万人規模のアンケート意向調査の実施も求めました。
「十分に協議を経てきた問題、計画通りで」…市長は、「市民会館の建て替えは十分な検討、協議を行ってきたもので、『計画通りに進める』ことを早計だとは考えていない。合併特例債の期限延長は正式決定していないが、工期的な余裕が生まれる点でメリットと考える。市民の意向調査についても考えていない」と従来の主張を繰り返すにとどまりました。また、来年度の地方財政計画や地方交付税の将来見通しについて「特段の懸念はない」としました。市民の関心事とのかい離を感じざるを得ません。12月議会の最大の課題です。
リフォーム補助金、抽選方式を提案…住宅リフォーム補助金の第2次受付にあたり、市民に不公平感と不満を残さないようにするため、ハガキによる事前申込みと抽選による書類審査といった手順に見直すよう提案しました。9月の第1次募集では400件の補助対象者決定に1カ月以上かかったことや事業者による代理申請が約半分であったこと、11月1日の広報で案内すること、年度内に事業を完結する必要がある事などから「12月募集は従来の先着順でいかざるを得ない」とする一方、「新年度における事業実施にあたっては検討課題としたい」と述べました。当面、成り行きを見守るしかないでしょうか。
この申し入れには、市長の他に部局長の皆さんらが大勢同席しました。全体的には「できない理由、しない理由」を聞かせられたなぁとの想いです。大震災・原発事故を踏まえ、市民の生命と健康を護るという自治体の一大責務にもっと前向きであってほしいと痛感します。40分位の時間しかなく、議論途中で切り上げざるを得なかったのですが、もっと議論を深めたいというのが率直な感想です。
11月には新年度予算編成にあたっての要望を会派として行うことになります。これから要望事項をまとめていくのですが、市民の皆さんからもご意見・ご要望をいただきたいと思います。